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第14回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム(再エネ展) ALCA 出展報告

2019年07月22日

先端的低炭素化技術開発(ALCA)

https://www.jst.go.jp/alca/

先端的低炭素化技術開発(ALCA)では、低炭素社会の実現に向けて、環境・エネルギー技術の研究開発を推進しています。
今般、「第14回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム(再エネ展)」(7月10日~12日にパシフィコ横浜で開催)にて、「新エネルギーハーベスティング技術:熱回生熱音響デバイスおよび塗布型薄膜太陽電池」と称し、ALCAから2つの課題の最新の成果を紹介しました。東海大学 長谷川准教授による多様な熱源から音波を介して冷却や発電を行うことができる熱音響デバイスを用いた冷却システムの実演と、京都大学 若宮教授による材料の塗布で作製でき、かつ有害な鉛(Pb)を使用しないPbフリー ペロブスカイト太陽電池の展示と、会場内の特設会場にて両研究者による成果のプレゼンテーションを行いました。

展示会場には、企業の方を中心に大変多くの方々にご興味をもっていただきました。会期中の3日間、常に展示ブースに多くの来場者が集まり、研究者等の説明に耳を傾け、また熱心に質問をしていただきました。実に会期全体で600人以上の来場者の方に出展ブースまでご訪問いただきました。
また、開催2日目(7月11日)に会場内で開催しました「出展者プレゼンテーション」でも、会場は立ち見がでるほどの満席となり、改めて、熱利用、太陽エネルギー利用技術は、社会から強く求められていることを実感しました。ALCAでは引き続き両課題を含め、将来の低炭素社会を実現する技術革新を進めて参ります。

最後に、本出展に際し、パネル原稿の作成、展示品の準備・設置、会期中の説明対応など、多大なるご協力を頂きました、長谷川 真也先生、若宮 淳志先生、ならびに両研究室の学生・スタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。

【出展の内容(研究開発代表者・出展テーマとその概要)】

東海大学工学部 長谷川 真也准教授「音で冷却/発電が可能な熱回生熱音響デバイス」
工場や自動車などの多くは化石燃料を燃やして動作しており、多くの廃熱が空気中に捨てられています。限りある資源を有効に活用するために熱の再利用が検討されており、近年、廃熱を高効率で回生する「熱音響機関」が期待を集めています。 熱音響機関は、細管にある値以上の温度勾配を設定することで、細管内の気体が自励振動する現象を利用しています。発生した音波を介して発電や冷却が可能な熱回生デバイスを実現することが可能です。本展示では「熱音響機関」試作機を展示し、実際に発電・冷却実験を実演しました。
京都大学化学研究所 若宮 淳志教授「環境負荷の少ない高性能ペロブスカイト系太陽電池の開発」
塗って作製できる薄膜太陽電池として、ペロブスカイト太陽電池が注目を集めています。この太陽電池は、20%を超える光電変換効率を示し、曇りの日や室内光下などの低照度でも高い発電効率を示します。また、フィルム基板を用いることで軽量フレキシブル電源としても利用できます。本展示では、これらの特徴を活かした「どこでも電源」の可能性を紹介しました。また有害な鉛(Pb)を用いないPbフリー ペロブスカイト太陽電池の成果も展示しました。
第14回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム RENEWABLE ENERGY 2019
http://www.renewableenergy.jp/2019/index.html