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SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」最終報告会を開催しました

SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」
https://www.jst.go.jp/sip/k07.html

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」(以下、本課題)は、土木学会SIPインフラ連携委員会、及びインフラメンテナンス国民会議と共催で、平成31年1月24日(木)、東京大学安田講堂において最終報告会を開催しました。
本課題は、平成26年度の事業開始以来、藤野陽三プログラムディレクター(横浜国立大学上席特別教授)のもと、社会インフラの維持管理に関わる「使いたくなる技術」の創出を目標に掲げ、研究開発の推進に加えて、地域等の実際の現場における様々な実証実験を重ねた上で、広く社会実装していくことを目指してきました。
今回の最終報告会は、本課題の5年間の取組の締めくくりとなるものであり、当日は、大学・研究機関、民間企業、地方自治体ほか広く一般から800名を超える来場者を迎え、本課題の取組成果や今後の展開に関して、四部構成による講演・パネルディスカッションが行われました。

第一部では「イノベーションの継続」として、点検・モニタリング・診断技術等に関する本課題の研究開発成果が報告されると共に、新技術活用に向けた新たな仕組の提案、シーズとニーズ両面からの研究開発マネジメントに関する提言が行われました。国土交通省の岡積敏雄官房技術参事官からは、新技術促進に向けた国土交通省の取組について、土木学会の塚田幸広専務理事からは、SIPインフラ連携委員会を引き継ぐ新たな体制構築を含めた社会インフラメンテナンスに関する学会の今後の取組について、それぞれご講演を頂きました。

第二部では「地域との共生」として、平成28年度から開始した「地域実装チーム」の活動実績の報告が行われました。加えて、国土交通省の吉田邦伸事業総括調整官からは、国民会議地方フォーラム等を通じた地方自治体の取組支援等についてご紹介いただきました。さらに、平成29年度から本課題と連携協力の覚書を締結している国際協力機構(JICA)の山村直史審議役からは、海外人材育成・海外での技術活用促進等の取組状況と今後の展開についてご講演いただきました。パネルディスカッションでは、「地域実装チーム」を構成する各地域大学の若手研究者を中心に、地域実装活動の意義や、SIP終了後も社会実装や国際展開において若手が果たすべき役割等について議論が交わされました。

第三部では、「Society5.0 / SDGsへの展開」として、コンクリート床版の余寿命推定技術やAIの活用、インフラデータベースの構築等の最新の研究開発成果について、本課題の参画研究者による講演が行われました。パネルディスカッションでは、内閣府の宮武晃司参事官、国土交通省の手塚寛之環境安全・地理空間情報技術調整官、各参画研究者の間で、最新の成果を踏まえたインフラメンテナンスの未来のあるべき姿について議論が交わされました。

締めくくりの第四部では、藤野陽三PDが、5年間の歩みを振り返りつつ成果の全体総括を行うとともに、「PDの役割は永遠である」として、プロジェクト終了後も、本課題に関わってきた1000名を超える仲間とともに、関係府省や土木学会・国民会議・JICAなど関係機関と連携しながら、本課題を通じて得られた成果・仕組み・体制・ネットワークを更に発展させ、社会インフラの維持管理に引き続き貢献していくとの決意を発信され、盛会のうちに終了となりました。

報告会全体を通じて、未来の社会を支えるインフラメンテナンス技術の研究開発機運の高まりとともに、今後の更なるイノベーション創出への期待を、強く感じさせる報告会となりました。


藤野陽三PD 開会挨拶


総合科学技術・イノベーション会議
上山隆大常勤議員 挨拶


土木学会SIPインフラ連携委員会
田﨑忠行委員長 閉会挨拶


会場全景


パネルディスカッション


主催者・登壇者一同