2018年9月20日、東北大学川内キャンパスにおいて産学共創基礎基盤研究プログラム技術テーマ「ヘテロ構造制御」（※1）の公開シンポジウムを開催いたしました。産業界と学界が一堂に会し、技術テーマ（※2）の解決に向けて意見交換する場として「産学共創の場」を設け、産学が一体となって技術テーマの解決に取り組むことが、本プログラムの大きな特長の一つです。本年度は、大学・公的研究機関ならびに産業界がより幅広く聴講可能な「産学共創の場」という位置付けで、（一社）日本鉄鋼協会秋季講演大会に合わせて開催しました。平成24年9月(愛媛大学)､平成26年9月(名古屋大学)､平成28年9月（大阪大学）に続き、今回が４回目の開催になります。

会議の冒頭に、プログラムオフィサーから本技術テーマの運営方針、これまでの各研究課題の概要等とともに、平成22年度の技術テーマ設定から8年目を迎え、平成31年度末のテーマ終了に向けて、出口のイメージと後継プロジェクトの検討の必要性について説明がありました。　続いて、平成29年度終了1課題と、現在進行中の10課題の計11課題について、研究代表者から研究開発状況と成果を報告いただきました。

当日の参加者は、大学・公的研究機関の研究者76名、技術テーマ提案団体や企業の研究開発担当者73名の計149名で、参加者のあいだで産業競争力、産業基盤の強化に繋がるような活発な議論や意見交換が行われ、大変有意義な会合となりました。今後も様々な形での「産学共創の場」を通じて産業界、ユーザーのニーズを取り込み、残り1年余りとなりました「ヘテロ構造制御」の発展に向けてさらなる研究開発を推進していきます。また産業界へ貢献する技術の創製をめざして、「産学共創の場」がより有意義で価値ある場となるように、多面的な運営を進めていきます。

最後に、開催の準備で大変お世話になった日本鉄鋼協会事務局の皆様に、心から厚く御礼申し上げます。

（※1）「ヘテロ構造制御」：「革新的構造用金属材料創製を目指したヘテロ構造制御に基づく新指導原理の構築」の略称

（※2） 技術テーマ：産業界共通の技術的課題で、解決のためには大学・公的研究機関などの基礎的な研究が必要なもの