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藤田誠教授が2018年のウルフ賞を受賞

戦略的創造研究推進事業 ACCEL https://www.jst.go.jp/kisoken/accel/index.html

藤田誠 東京大学大学院工学系研究科 教授が、国際的に権威のあるウルフ賞の化学部門賞を、Omar M. Yaghi教授(カリフォルニア大学バークレー校)と共同で受賞しました。

ウルフ賞は、ウルフ財団(イスラエル)より、化学、農業、数学、医学、物理、芸術の各部門で優れた業績をあげた科学者、芸術家に与えられる賞で、これまでに日本人では、同じ化学部門で野依良治名誉教授が2001年に受賞しています。また、他部門では、南部陽一郎名誉教授、小柴昌俊特別栄誉教授(物理部門)、山中伸弥教授(医学部門)らが受賞しており、この賞を受賞後にノーベル賞を受賞した科学者が多いため、ノーベル賞の前哨戦とも言われています。

今回、藤田教授は「金属が誘起する自己集合原理の創出と巨大中空物質構築への展開」の業績が認められ受賞に至りました。授賞式は5月末にイスラエルで行われる予定です。

藤田教授は現在JST戦略的創造研究推進事業ACCELにおいて、「自己組織化技術に立脚した革新的分子構造解析」の中で、「結晶スポンジ法」の研究開発を進めています。
これまで研究を進められてきた「自己組織化」技術から生み出された「結晶スポンジ法」では、わずか数マイクログラム(μg)程度の微量サンプルがあればそのもの自体を結晶化させることなく、X線構造解析により分子構造を明らかにすることができます。化合物の構造解析にかかるトータルの時間を飛躍的に短縮できる利点もあり、化学、創薬、食品分野等の様々な分野で研究スタイルを刷新し、イノベーションを引き起こすキラーツールとなることが期待されています。

  • JSTにおける主な採択課題
  • ◇戦略的創造研究推進事業 CREST
  • ・「単一分子・原子レベルの反応制御」研究領域
    「遷移金属を活用した自己組織性精密分子システム」研究代表者1997年度~2002年度
  • ・「医療に向けた自己組織化等の分子配列制御による機能性材料・システムの創製」研究領域
    「自己組織化分子システムの創出と生体機能の化学翻訳」研究代表者2002年度~2007年度
  • ・「ナノ界面技術の基盤構築」研究領域
    「自己組織化有限ナノ界面の化学」研究代表者2007年度~2013年度
  • ◇戦略的創造研究推進事業 ACCEL
  • ・「自己組織化技術に立脚した革新的分子構造解析」研究代表者2014年度~2018年度(推進中)