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「JSTフェア2016―科学技術による未来の産業創造展―」「イノベーション・ジャパン2016~大学見本市&ビジネスマッチング~」を開催しました
2016年08月25日・26日 東京ビッグサイト


(写真2)
東京藝術大学のアフガニスタン・バーミヤン東大仏天井壁画「天翔る太陽神」

平成28年8月25日・26日、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで「JSTフェア2016―科学技術による未来の産業創造展―」(JST主催、文部科学省後援)と「イノベーション・ジャパン2016~大学見本市&ビジネスマッチング~」(国立研究開発法人科学技術振興機構=JST、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構=NEDO主催、文部科学省、経済産業省共催)が開催された。いずれも入場無料で、両会場は自由に行き来が可能。

「JSTフェア」会場(西2ホール)では、科学技術イノベーションの総合的な推進機関として卓越した研究成果を新たな産業創造に結び付けるための活動を推進してきたJSTが、産業創造を目指し、各種支援事業の紹介やその事業成果を展示・発表した。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、産業技術総合研究所(AIST)、情報通信研究機構(NICT)をはじめ、JSTと関わりのある12の国立研究開発法人等も事業成果展示を実施。JSTがことし設立20周年を迎えた節目に、これまで生み出されてきた研究開発成果を年代別に振り返る記念展示も行われ、事業の変遷を伝えた(写真1)。

ひときわ目を引いたのは東京藝術大学が出展するCOIゾーンだ。芸術と科学技術による、「感動」を創造する共感覚イノベーションとして、文化共有研究分野から、戦禍を受け破壊された文化財の新たな保存修復技術研究の成果であるアフガニスタン・バーミヤン東大仏天井壁画「天翔る太陽神」と、焼損した「法隆寺・金堂壁画」の高精細復元作品(クローン文化財)などを出展。来場者は天井ギリギリの壁画を見上げていた(写真2)。

そのほか、大学等における研究開発成果を用いた起業および起業後の取り組みで、顕著な実績を挙げた機関を表彰する「大学発ベンチャー表彰2016」、文部科学省主催の「産学官による未来創造対話2016」がレセプションホールで同時開催された。

『日本初、原子番号113“ニホニウム”の発見と、新元素がもたらす未来の産業創造への展望』と題した、日本初の原子番号113を発見した理化学研究所の森本幸司氏による基調講演は、関心が高く、セミナー会場は早くから満席となった。 壇上に立った森本氏は、「113番新元素を発見し、命名権を獲得した。提案中の『nihonium(ニホニウム)、 Nh』が認められれば、元素周期表に欧米以外の研究グループが発見した元素の名前が刻まれるのは科学史上初めて」と話した(写真3)。

西1ホールで開催された「イノベーション・ジャパン2016」は今回で13回目。国内最大級の産学マッチングイベントで、JSTとNEDOの共通展示「大学発ベンチャーゾーン」を加え、全国から500を超える大学やベンチャー・中小企業などが出展した。 大学見本市として多くの大学などが出展するJSTゾーンでは、超スマート社会や情報・通信、環境保全・浄化、エネルギーなど11のエリアに分けられ、来場者は思い思いのブースに足を運び、熱心に説明に聞き入っていた。このほか、研究者による232件のショートプレゼンも実施された。 ビジネスマッチングを中心にしたNEDOゾーンでは、エネルギーやマテリアル・ナノテクノロジー、情報・通信、ロボットなど9のエリアに分かれて展示が行われた。また、NEDOプレゼンスペースでは、製品や研究成果がスライドで説明され、多くの来場者が目当てのプログラムを目指し、その説明に耳を傾けていた。

連日の炎天下の中、鶴保庸介内閣府特命担当大臣、馳浩前文部科学大臣、野間口有三菱電機株式会社特別顧問(元産業技術総合研究所理事長)など、多くの国会議員・経済会からの会場視察が相次ぎ、JSTフェアの来場者は延べ16,238人、イノベーション・ジャパンでは20,576人、両会場合わせて36,816人が訪れ、盛況のうちに閉会した。

  • ●概要
  • JSTフェア2016―科学技術による未来の産業創造展―
  • 会期:2016年08月25日(木)・26日(金)
  • 会場:東京ビッグサイト西2ホール(東京都江東区)
  • 主催:科学技術振興機構(JST)
  • 後援:文部科学省
  • 入場料:無料
  • https://www.jst.go.jp/tt/jstfair/
  • イノベーション・ジャパン2016―大学見本市&ビジネスマッチング―
  • 会期:2016年08月25日(木)・26日(金)
  • 東京ビッグサイト西1ホール(東京都江東区)
  • 主催:科学技術振興機構(JST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
  • 後援:文部科学省、経済産業省
  • 入場料:無料


(写真1)
JSTゾーン 大学見本市エリア


(写真3)
理化学研究所 森本幸司氏による講演