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The e-ASIA Joint Research ProgramおよびJ-RAPIDプログラムの国際共同ワークショップ「International Workshop on Disaster Risk Reduction and Management under the e-ASIA Joint Research Program and Typhoon Yolanda related J-RAPID Program」の開催報告
2015年4月15日~4月17日 ケソン市(フィリピン)

戦略的国際科学技術協力推進事業/国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム) https://www.jst.go.jp/inter/index.html

JST国際科学技術部は、フィリピンの科学技術省(DOST:Department of Science and Technology)、e-ASIA共同研究プログラム(e-ASIA JRP)事務局と協力し、e-ASIA JRP(注1)および国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)(注2)の国際共同ワークショップをフィリピンのケソン市で開催しました。

JSTはe-ASIA JRPのメンバー機関として、多国間の共同研究や研究交流の推進に関わっています。今回は、協力分野にかかる「防災・減災」をテーマに、フィリピンのレナト・ソリドゥム氏(Philippine Institute of Volcanology and Seismology, DOST)および本蔵 義守氏(JSTプログラムオフィサー)がモデレーターを勤め、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、ラオス、日本から合計8名の研究者による防災・減災関連研究の発表が4月15日に行われました。最後には、災害リスクの低減やリスク評価、復興等に資する科学技術の必要性や人材育成の重要性が再確認され、e-ASIA JPRの防災分野における共同研究について議論が行われた後、提言が取りまとめられました。

4月16日から17日には、2013年11月にフィリピンを襲った台風30号(フィリピン名ヨランダ)に関するJ-RAPIDの11件の研究課題の発表が行われました。フィリピンと日本の研究代表者による研究成果の発表が行われ、活発な質疑応答や意見交換が行われました。
台風30号に関するJ-RAPIDプログラムは2015年4月で終了しますが、今回の研究協力をベースに、連携して研究を継続するとの声が多く聞かれました。

本ワークショップには、フィリピンの政府関連機関や大学研究者等の聴講者も含め、総勢約130名の参加があり、両プログラムの研究者との意見交換や交流を図るよい機会となりました。今後もe-ASIA JRPの防災分野やJ-RAPIDにおいて、アジア地域の多国間協力の推進、ならびに減災やリスク管理に資する知見や情報の交換の促進が期待されます。

注1)e-ASIA JRPは、科学技術に関わる人、モノ、資金、知見の往来を活発させること、アジア経済社会の発展および共通課題の解決に資すること、アジアにおける研究者同士のコミュニティ形成を行うことを目的として2012年に設立されたプログラムで、12カ国の16の公的研究資金配分機関(FA)が参加しています。「ナノテク・材料」、「バイオマス・植物科学」、「ヘルスリサーチ」、「防災」、「先端融合」の協力分野が設定されており、11課題が採択されています。(2015年3月時点)
http://www.the-easia.org/jrp/foc.html

注2)J-RAPIDは、自然災害、人的災害等の不測の事象が発生し、データ取得や問題解決の為に緊急研究・調査が必要な場合に実施され、海外の研究資金配分機関(FA)や研究機関と共同して行われる国際共同研究・調査を支援します。迅速に初動的な研究・調査を支援することにより、本格研究・調査への橋渡しとしての役割を担います。これまで、東日本大震災関連の研究33件、タイの水害関連の研究2件、フィリピンの台風30号(フィリピン名Yolanda)関連の研究11件を支援しました。
https://www.jst.go.jp/inter/sicp/country/j-rapid.html