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ビッグデータ時代、研究文化の変革を

情報企画部

 国際科学技術情報評議会(ICSTI)の年次会合とシンポジウムが2014年10月、初めて日本で開かれました。ICSTIは各国の科学技術情報流通にかかわる40ほどの機関から構成されています。

 年次会合では、政策提言につながる情報収集、研究データの流通と活用、研究開発の評価に生かす提案などが発表されました。例えば、中国科学院国家科学図書館では、欧米等の主要国が発行する報告書や科学技術指標等の情報をインターネット上で収集し、テキストマイニング技術を用いて整理・体系化して中国語に機械翻訳し、その情報が有益なのか評価を加えて提供することで、中国の科学技術戦略の策定に活用していることが報告されました。

 シンポジウムはICSTI会員以外の一般の方も交え、「データ共有のためのオープンプラットフォーム」「科学技術情報に関わる新技術と新サービス」「科学技術情報に基づく分析と評価」の3セッションで開催されました。その中で、科学技術研究の世界でもビッグデータの波が到来しており、科学技術研究の形態がデータを共有・活用し、新たな付加価値を生み出す「データ駆動型」に変わる可能性が示されました。また、管理すべきデータが膨大になっており、世界で用意できる記憶装置の容量を超える可能性があることから、研究データの共有を各国が協力して進めるべきであることも述べられました。

 ビッグデータを用いた研究開発は、効率的で効果的なイノベーションに重要です。ビッグデータとして取り扱えるよう、今後「研究データは研究者の所有物である」という考えからの変革が求められています。


セッション「データ共有のためのオープンプラットフォーム」で講演する米国国立標準技術研究所のクリス・グリア博士


ICSTIヤン・ブラセ会長(前列中央)ら。日本科学未来館(東京・お台場)で開かれたシンポジウム