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フレキシブル・プリンテッド・エレクトロニクス国際会議(2012 International Conference on Flexible and Printed Electronics ; ICFPE2012)開催報告
2012年9月6日(木)~8日(土) 東京大学(本郷キャンパス)

平成24年9月6日から8日まで、東京大学本郷キャンパスにおいて、「フレキシブル・プリンテッド・エレクトロニクス国際会議(2012 International Conference on Flexible and Printed Electronics; ICFPE2012)」が開催されました。1149(うち海外研究者は27%)もの研究者や学生らが国内外から参加しました。本国際会議では、5つの基調講演、30のテクニカルセッション(434件の口頭・ポスター発表)および32件の企業展示で構成されました。この国際会議では、ERATO染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクトの研究総括である、染谷隆夫 教授(東京大学大学院 工学研究科)が組織委員長を務められ、プロジェクトの研究を紹介しました。

本国際会議は、プリンテッド・エレクトロニクスならびにフレキシブル・エレクトロニクス分野のアクティブな研究者が、国内外から結集する場を提供することによって、学際的な色彩の強い当該技術分野の発展・促進を目指して開催されました。材料、プロセス・装置、デバイス、回路・システム・実装、評価に関する学術領域ならびに産業技術全般について、産学の幅広い分野の研究者らが参加し、各テクニカルセッションやポスター発表等において熱心な議論が繰り広げられました。

基調講演では、2010年にノーベル化学賞を受賞したパデゥー大学の根岸英一特別教授より、触媒的な有機合成反応についてご講演いただき、Samsung Advanced Institute of Technology の Kinam Kim 博士およびソニーの中鉢良治 博士からフレキシブル・プリンテッド・エレクトロニクス分野における企業の戦略や期待についてご紹介いただきました。スイスEPFLの Michael Graetzel 教授は色素増感太陽電池について、米国イリノイ大学の John A. Rogers 教授は新規なフレキシブルデバイスについて最新の研究成果と応用展開についてご講演いただきました。

テクニカルセッションでは、66名の招待講演者(うち海外研究者44名)を含む197名(うち海外研究者113名)の研究者らから、新しい有機薄膜や印刷技術、デバイスの評価手法など、最新の研究成果や今後の展開についての発表があり、各分野から活発な意見交換ができました。ERATO染谷生体調和エレクロニクスプロジェクトの研究課題である最先端の印刷技術を用いた有機エレクトロニクスデバイス作製技術について議論する、“Digital fabrication for flexible and printed electronic” のセッションで、関谷毅グループリーダが、プリンティング技術で作成した大面積・超フレキシブルのセンサーデバイスを紹介しました。本セッションでは、会場に入りきらないほど研究者が集まり、バイオ医療分野における応用の可能性に関しても参加者から多くの質問が出され、技術面での深い意見交換が行われました。

本国際会議は、フレキシブル・エレクトロニクス・デバイスやプリンテッド・エレクトロニクス分野で活躍する一流の研究者らによる講演だけでなく、各セッションでの活発な議論等により、ERATO染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクトを推進する上での貴重な意見をいただくことができました。