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JST CREST シンポジウム:金触媒の作用機構とグリーンケミストリーへの応用
(JST CREST Symposium at GOLD2012: Working Mechanism of Gold Catalysts and Their Applications to Green Chemistry)開催報告
2012年9月8日(土)京王プラザホテル東京


J. T. Yates, Jr.教授の招待講演

JST CREST シンポジウム「金触媒の作用機構とグリーンケミストリーへの応用」は、9月5日(水)~ 8日(土)に行われたGOLD2012国際会議(The 6th International Conference on Gold Science, Technology and its Applications、Chairman:春田正毅 首都大学東京特任教授)において、9月8日(土)にパラレルセッションの一つとして開催された。約350名の参加者を数えたGOLD2012の最終日に行われたにもかかわらず、約200名(延べ)の参加者があった。本シンポジウムでは、CREST研究課題「異種物質との接合を利用した金クラスター触媒の機能設計(研究代表者:春田正毅 首都大学東京特任教授)」の研究成果の全体をまとめて発表するとともに、世界トップレベルの金の研究者を海外から招き討論が行われた。

最初に、JST戦略研究推進部の石正 茂 部長から、JSTにおける事業内容について紹介があった。続いて春田教授から、5年半のCREST研究の全体像、得られた成果について発表があった。本シンポジウムでは、海外から3名の研究者をお招きした。J. T. Yates, Jr. 教授(Univ. of Virginia)は、COおよびエチレン酸化において、Au/TiO2のペリメーターが触媒反応に重要であることを報告した。B. C. Gates 教授(Univ. of California)は、規則性空間を有するゼオライトを担体として、原子レベルで分散した金原子を固定化し、その構造や性質について紹介した。D. Giljohann 博士(AuraSense Therapeutics)は、アメリカの新進気鋭の若手ベンチャー企業研究者で、金ナノ粒子をキャリアーとして治療に応用する試みを紹介した。今後、触媒以外の金ナノ粒子の用途として期待される。

本CREST研究に携わった研究者の発表として、藤谷博士(産総研:Au/TiO2触媒上でのCO酸化におけるペリメーターの役割)、城戸教授(立命館大:TiO2単結晶表面における金クラスターのCO酸化発現機構)、秋田博士(産総研:高分解能電子顕微鏡による酸化物担体に担持した金ナノ粒子の界面の原子レベル観察)、徳永教授(九大:Co3O4、NiOを担体とした金触媒を用いた合成ガスを原料とした各種有機合成)の4件の講演が行われた。

本シンポジウムをGOLD2012にあわせて開催することにより、広く世界の金触媒の研究者と有意義な討論を行うことができ、CREST研究の成果をアピールすることができた。