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日本政策金融公庫が、JSTとの連携・協力に基づく初の融資を決定

JSTと政府系金融機関である株式会社日本政策金融公庫※1(日本公庫)は、両者の強みを最大限に生かし、相互に連携・協力することで、大学などの公的研究機関で生み出された研究成果が中小・ベンチャー企業に技術移転され、新規事業化に基づく新産業の創出や中小・ベンチャー企業の成長・発展に結びつくことを目指して、平成23年8月に「業務連携・協力に関する覚書」を締結しました※2

この度、日本公庫では、JSTのプレベンチャー事業(現在のA-STEP起業挑戦タイプ)を活用して設立された株式会社ナノエッグ※3「新株予約権付融資」※4を適用し、11月4日に融資が実施されました。本件は、日本公庫とJSTとの業務連携・協力に基づく中小企業連携支援として、初の融資です。

現在、ナノエッグでは、ドラッグデリバリーシステム(DDS)としてのナノカプセル化製剤の開発研究の成果をベースに、医薬品開発で培われた独自のナノカプセル技術や皮膚再生のための技術を活用した機能性アンチエイジング化粧品『MARIANNA』の開発・製造販売しています。

JSTは、第4期科学技術基本計画において、産学官の「知」のネットワーク強化の具体的推進方策として記載されている「国は、大学間連携の強化や金融機関をはじめとした関係機関との連携を視野に入れた産学官のネットワーク構築」を推進するために、日本政策金融公庫をはじめとする金融機関や経営支援機関(独立行政法人中小企業基盤整備機構)との連携を深め、大学等の研究成果の事業化促進を加速することを目指します。

詳しい情報は、以下のURL(日本公庫のプレスリリース)からご覧ください。

<用語解説>
※1 株式会社日本政策金融公庫(日本公庫):平成20年10月に発足した政府系金融機関。国の政策の下、民間金融機関を補完することを旨とし、国民一般、中小企業者および農林漁業者向けの金融業務などを実施。
日本公庫ホームページ: http://www.jfc.go.jp/

※2 業務連携・協力に関する覚書の締結:以下のプレスリリースをご参照ください。
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20110829/index.html>

※3 株式会社ナノエッグ:平成18年4月に聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター先端医薬開発部門DDS研究室で、JSTのプレベンチャー事業(現A-STEP起業挑戦タイプ)を活用して平成18年4月に設立。

※4 新株予約権付融資:日本政策金融公庫のベンチャー企業等向け融資制度である「新事業育成資金」で取り扱っており、融資と同時に日本公庫が新株予約権を取得し、株式公開を目指す中小企業者等に対して、事業に必要な資金を無担保で供給できることが特徴。