研究者

3期生

阿部 洋 宇賀 貴紀 生沼 泉 佐藤 明子
佐藤 隆 谷口 弘樹 行川(濱田)文香 早坂 直人
平田 普三 堀江 健生 松尾 直毅 松田 信爾
村越 秀治 吉田 知之
阿部 洋 (あべ ひろし)

阿部 洋 写真

名古屋大学大学院理学系研究科  教授
http://hiroshiabe55.web.fc2.com/hiroshi/abe.html

研究課題: シナプス可塑性に関わるRNA群の革新的イメージング法の開発
研究概要: 神経細胞内のmRNAをイメージングするための革新的なプローブを開発します。微量RNAを検出するためにプローブの高感度化、及び複数RNAの同時観察を可能とするために多色プローブの開発を進めます。さらに、シナプスの可塑性に関わる複数のmRNA群を標的にしたプローブを作成し、神経細胞における内在性mRNAの動態を直接イメージングし、その輸送と局所での翻訳過程との相関を解析することを目指します。

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宇賀 貴紀 (うか たかのり)

宇賀 貴紀 写真

順天堂大学  医学部 先任准教授

研究課題: 柔軟な判断を可能にする神経回路の動作原理の解明と制御
研究概要: ヒトはどのようにして柔軟に判断をし、多様な選択を行うことができるのでしょうか。本研究では、柔軟な判断の神経回路モデルとして新たに「Leaky integrator仮説」を提案します。そして、2つのルールに基づき、判断の内容を柔軟に切り替えるタスクスイッチ課題をサルに訓練し、大脳皮質MT野とLIP野の神経活動記録と電気刺激を用いて、本仮説を検証します。

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生沼 泉 (おいぬま いずみ)

生沼 泉 写真

京都大学 大学院生命科学研究科 助教
http://sakura.canvas.ne.jp/spr/izumi_presto

研究課題: ガイダンス因子シグナルで普遍的に駆動されるシグナル伝達経路の解明
研究概要: 神経軸索は様々なガイダンス因子に導かれて標的細胞に到達し、複雑な神経回路を形成します。ガイダンス因子は誘引作用を持つもの、反発作用を持つものに分類され、神経細胞先頂部の成長円錐は、それらの情報を感知・統合し、基質との接着を巧みに変化させ、かじとりをします。本研究は、特に、G蛋白質による細胞接着のポジティブフィードバック機構に着目し、軸索ガイダンスで普遍的に駆動される情報伝達機構の解明を目指します。

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佐藤 明子 (さとう あきこ)

佐藤 明子 写真

広島大学大学院総合科学研究科 准教授

研究課題: 神経細胞における膜タンパク質選別輸送システムの順遺伝学による解明
研究概要: 機能的な神経細胞ネットワークが形成されるには、個々の神経細胞が、軸索・シナプス・樹状突起などの高度に分化した機能ドメインを形成・維持する必要があります。その基盤として、各機能ドメインに特有のタンパク質を適切に輸送する、選択的で調節性の細胞内選別輸送システムがあると考えられています。本研究では、ショウジョウバエ光受容ニューロンを用い、各々の膜ドメインへの選別輸送に関わる遺伝子を網羅的に探索します。

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佐藤 隆(さとう たかし)

佐藤 隆 写真

University of Tuebingen, Center for Integrative Neuroscience, Junior Group Leader

研究課題: 霊長類の高次脳機能を担う大脳皮質神経回路の可視化と制御
研究概要: 私たちは、様々な感覚情報や記憶情報に基づき意思決定を行います。意思決定形成過程とその神経回路的基盤を明らかにすることは、認知機能を理解する上で極めて重要です。本研究では霊長類の眼球運動をモデルに用いて、脳が様々な情報を統合して運動指令を出す様式を明らかにしていきます。特に、技術進歩の著しいイメージング技術を霊長類に用いることにより、脳の高次機能を神経回路レベルで理解することを目指します。

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谷口 弘樹 (たにぐち ひろき)

谷口 弘樹 写真

マックスプランク フロリダ研究所 Research Group Leader
URL:http://www.maxplanckflorida.org/hiroki-taniguchi.html

研究課題: 局所コネクトミクス:抑制性局所神経回路発達の細胞種特異的解析
研究概要: 抑制性神経細胞の多様性は、神経回路に異なる抑制性制御を与え、神経活動の安定化、リズム生成に貢献し、複雑な神経演算を可能にすると考えられています。本研究では、最先端の遺伝学的技術を駆使し、興奮性錐体細胞上の抑制性神経入力をサブタイプごとに可視化し、その結合様式を明らかにします。脳に埋め込まれた抑制性局所神経回路の”解剖学的暗号”を読み解くことにより、脳機能、脳疾患への理解が深まることが期待されます。

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行川(濱田)文香 (なめかわ (はまだ) ふみか)

行川(濱田)文香 写真

シンシナティ小児病院、シンシナティ大学医学部 小児眼科部門 Assistant Professor
http://www.cincinnatichildrens.org/research/divisions/o/ophthalmology/labs/hamada/default/

研究課題: 体温の概日リズムを制御する分子機構と神経回路ネットワークの解明
研究概要: 私達の体温は、一日の周期で約1℃変動します。この体温リズムは、恒常性の維持だけでなく、睡眠にも深く関係しています。例えば、私達は朝体温が上昇すると覚醒し、夜体温が下降すると眠くなります。しかし、体温リズムがどのように制御されているのか、ほとんど明らかになっていません。本研究ではショウジョウバエの行動を指標として、体温リズムを制御する概日時計の分子機構の解明と神経回路ネットワークの解明を目指します。

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早坂 直人(はやさか なおと)

早坂 直人 写真

大阪大学免疫学フロンティア研究センター 招聘准教授

研究課題: 神経グリア相互作用としての概日リズム制御系の新たな理解
研究概要: 行動を制御する脳の仕組みは、長年の間、神経回路で語られてきました。しかし、近年グリア細胞の能動的な役割が次第に明らかになり、脳の機能発現の主役のひとつである可能性が高まっています。本研究では、環境に適応するために獲得された体内時計の優れた柔軟性、可変性に注目し、その仕掛けを解く鍵がグリアにあるのではないか、という仮説を検証します。そして、神経グリア回路による行動制御の普遍的な原理に迫ります。

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平田 普三 (ひらた ひろみ)

平田 普三 写真

青山大学院大学理工学部 教授
http://www.nig.ac.jp/labs/MotNeur/

研究課題: グリシン作動性シナプスの活動依存的形成と臨界期の分子基盤
研究概要: シナプスは活動、すなわちシナプス伝達により、その形態や受容体の密度など、その特性が変化することが知られています。これまでに、グリシン作動性シナプスの活動依存的形成・維持を、発生過程の動物個体で解析する実験系を構築しました。本研究で、シナプスの活動依存的形成・維持の分子基盤を in vivo で解明します。

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堀江 健生(ほりえ たけお)

堀江 健生 写真

筑波大学 生命環境科学研究科 助教
http://accafe.jp/Horie_Takeo/index.php

研究課題: 遊泳運動を規定する神経回路の発生と動作原理の解明
研究概要: 歩行運動や遊泳運動は、動物が行う最も基本的な行動です。本研究では、神経細胞がわずか100個しかない原始的な脊索動物ホヤを用いて、遊泳運動を規定している神経回路の発生と動作原理を、細胞レベル、遺伝子レベルで解明します。さらに、ホヤの運動神経回路モデルと脊椎動物の運動神経回路モデルを比較することで、脊索動物間に保存された普遍的な神経回路の発生と動作原理を明らかにすることを目指します。

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松尾 直毅(まつお なおき)

松尾 直毅 写真

大阪大学大学院 医学系研究科 准教授
http://www.cp.kyoto-u.ac.jp/Matsuo/Matsuo_Lab/Home.html

研究課題: 個々の記憶情報をコードする神経回路の解析と制御
研究概要: 個々の記憶情報はそれぞれ脳内でどの様に区別して記録され、必要に応じて適切に引き出されるのでしょうか? 本研究では、機能的神経ネットワークの活動を選択的に操作することのできる独自の遺伝子改変マウスを開発し、これらを、巧妙な行動テスト、イメージングなどの手法を用いて解析することによって、実体の捉えがたい“記憶”という現象の神経基盤に迫ります。

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松田 信爾 (まつだ しんじ)

松田 信爾 写真

電気通信大学大学院 情報理工学研究科 准教授

研究課題: 光による細胞内輸送とシナプス可塑性の制御
研究概要: シナプス可塑性は記憶・学習の基礎過程と考えられており、その実体はシナプス後部におけるグルタミン酸受容体の一種(AMPA受容体)の数の変化です。しかし、AMPA受容体数の変化と記憶・学習行動との直接の関連性については明らかになっていません。本研究ではAMPA受容体の数を光照射で変化させる技術を開発し、記憶・学習過程を統合的に解明します。また、ゴルジ体やミトコンドリアの制御技術も開発します。

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村越 秀治(むらこし ひでじ)

村越 秀治 写真

自然科学研究機構 生理学研究所 准教授

研究課題: シグナル分子の活性化観察と操作によるシナプス可塑性機構の解明
研究概要: 神経回路の形成、機能の基礎となるシナプス結合の可塑性は、スパイン内の情報伝達系によって制御されていると考えられますが、その機構はほとんど分かっていません。本研究では、シグナル伝達分子活性化イメージングと光を用いたシグナル分子操作法を用いて、シナプス可塑性の分子機構を単一シナプスレベルで解明し、神経回路の理解へと繋げます。

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吉田 知之(よしだ ともゆき)

吉田 知之 写真

富山大学大学院医学薬学研究部(医学) 分子神経科学講座  准教授

研究課題: 中枢シナプスオーガナイザーによる標的認識と特異的シナプス形成の調節機構の解明
研究概要: 脳機能発現の基盤となる中枢シナプス形成の一端は、シナプスオーガナイザーと呼ばれる、シナプス前終末と後終末を誘導する活性を持つ一部の細胞接着分子によって担われています。本研究ではシナプスオーガナイザー自体が作り出すスプライス多様性によって多様なシナプス結合の特異性が維持される機構を明らかにすると共に異なるシナプスオーガナイザー間の相互作用によってシナプス形成が調節される基本原理の解明を目指します。

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