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領域紹介
領域概要

本研究領域は、ナノテクノロジーにおけるトップダウン手法の技術の高度化、精密なボトムアップ手法の駆使、あるいはそれらの手法の融合によって、要素の単なる総和や重ね合わせではない自律的、非線形的に新たな機能を生み出す(”創発する”)研究を推進し、次世代ナノシステムの構築を目指します。

具体的には、生命科学、物質科学、精密工学、電子工学、医用工学、知能情報工学などの様々な分野における、自律的機能創発のしくみの解析・解明、あるいは機能を創発するシステムのナノレベルでの設計・創製等、独創的・挑戦的な研究を対象とします。




研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針

本領域は、機能創発する次世代ナノシステムの構築を目指す独創的・挑戦的研究を対象とします。ここでいう創発(emergence)とは、下位の階層(要素)レベルにおける局所的相互作用が環境との関係のもとで、マクロな秩序状態が新たに自律的に、しかも単なる総和や重ね合わせではなく、非線形的に形成され、その結果、集積的(integrated)同調的(synchronized)機能が上位の階層レベルで発現するといったことを指します。しかし、「創発」については様々な捉え方があるのでより広く自由に捉えてもらって構いません。本領域はこのような自律的機能創発のしくみの解析・解明ならびに機能創発の実現を目指したシステムのナノレベルでの設計・創製等を研究対象としています。

たとえば、次世代ナノシステムの研究において自己組織化プロセスは重要な手法のひとつでしょう。時間軸・空間軸の両面でダイナミックにプログラム可能な自己組織化とそのシステム応用を考えてほしいと思います。トップダウンの領域では、超微細加工や様々なMEMSデバイス、微細なロボティックスシステムなどの領域が関連する対象になると思いますが、ここに挙げた例にとらわれることなく、さらなる微小化や機能拡張、新規分野への応用を目指した独自のアプローチを歓迎したいと思います。トップダウン手法とボトムアップ手法の融合を図ることによって、既存の学問領域や手法を統合・融合し、独自の発想にもとづいた挑戦的提案も求めたいと思います。

本研究領域のキーワードである“創発”は、生物を含め広く自然を捉えようとする基本的な考え方の1つであり、「階層性」についての意識が大切になります。本研究領域研究者の間の刺激的な相互作用が「創発」的テーマの発想と展開に結びつくことへの期待も込めて表現したものでもあります。


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