人工光合成研究の最前線 挑戦する若手研究者:
JSTさきがけ「光エネルギーと物質変換」領域
第1期採択研究者 研究成果報告会と特別講演
主催 | 科学技術振興機構(JST) |
共催 | 日本化学会・文部省科研費新学術領域研究 「人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換: 実用化に向けての異分野融合」総括班 |
東日本大震災に伴う原子力発電所の事故により、我が国のエネルギー政策について抜本的な見直しが迫られている昨今、太陽光エネルギーなど自然再生エネルギーの本格的な利用に向けた研究開発が喫緊の課題になっている。平成21年度科学技術振興機構に発足した「さきがけ:光エネルギーと物質変換」研究領域では、太陽光の有効利用の中で最も本質的な課題「光エネルギー/化学エネルギー変換(人工光合成)」に真正面から取り組んでいる。当研究領域では、毎年春季年会会期中に国際シンポジウムを開催しており、第91春季年会では「光エネルギーと物質変換:人工光合成の未来」を、第93春季年会では、当領域を含む化学関連さきがけ4領域合同で「持続する社会を先導する光科学:環境・エネルギー・機能材料」を開催し、いずれも500名を超える参加者を集め好評を博した。
今回のシンポジウムでは、人工光合成研究の世界的な権威者の一人であり、かつ米国の再生エネルギープロジェクト研究の代表者であるThomas J. Meyer教授(Univ. of North Carolina at Chapel Hill)による特別講演のほか、平成21年度採択研究者による研究成果と中間成果の口頭発表、平成22、23年度採択研究者によるポスター発表を行い、さきがけ研究領域の現状と将来展望について議論する。それにより人工光合成研究課題の重要性および研究領域への参画を化学関連若手研究者等に広く情報発信し、化学関連研究者への科学的刺激と更なる研究推進に資することを目的とした。