今回の東日本大震災と原子力発電所の事故は、安全・安心のためのこれまでの対策がいざというときに機能しうるものかどうか、考えさせられる事態となりました。また、近年では事故や災害、感染症拡大、食の安全の失墜、資源・エネルギーのひっ迫など社会の安全を揺るがす多くの問題が起きています。これまでにとられてきた対策が本当に危機時に機能できるものであるか、科学技術への投資は社会の安全に応えるものになっているのか、改めて考え直す必要がでてきています。
本シンポジウムでは、「社会の安全保障と科学技術」をテーマに、安全に関わる問題を横断的に捉え、今後の国家的危機などに備えた国の役割や、科学技術が寄与すべき課題、社会と科学技術をつないで危機に備える仕組みなどを探り、発信していくことを目的としています。