科学技術振興事業団報 第94号


平成11年3月4日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「大面積透明ダイヤモンド・ライク・カーボン成膜装置」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、新潟工科大学工学部情報電子工学科 教授 喜多村 博氏らの研究成果である「大面積透明ダイヤモンド・ライク・カーボン成膜装置」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)は、天然ダイヤモンドと同じ炭素のSP3結合とグラファイトと同じ炭素のSP2結合それに水素との結合を含むアモルファス構造となっている。DLCは、高硬度、低摩耗、低摩擦、表面平滑性に優れるという特徴を持ち、金型、工具、摺動部品などにコーティングされ利用されている。一方、アクリル、ポリカーボネートなどのプラスチックは透明で成形・加工が容易、比較的軽量、安価という特徴を持つが傷が付きやすい難点があることから、その表面を高硬度化したい要望があった。
 本新技術は、炭化水素系ガスを原料ガスとして、表面放電プラズマによってプラスチック等の表面に透明なDLCを成膜するもので、常圧、基板温度60℃程度の条件で大面積、高速成膜を可能とする装置である。
 本装置で成膜されるDLCは、光透過性に優れ、高硬度であるので、プラスチック等の車両用窓材、建材用窓材、大型ディスプレイ用パネル等への利用が期待される。
 本新技術の開発は、株式会社 半導体検査装置(代表取締役社長 青島史明、本社 東京都千代田区神田須田町1-5-12、資本金 117百万円、電話 03-3255-3256)に委託する予定で、開発期間は3年、委託開発費は4億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「大面積透明ダイヤモンド・ライク・カーボン成膜装置」(背景・内容・効果)

開発を実施すべき新技術の評価

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