科学技術振興事業団報 第93号


平成11年3月4日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「金属超微粒子担持光触媒の製造技術」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、大阪市立大学理学部教授小松晃雄氏らの研究成果である「金属超微粒子担持光触媒の製造技術」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 近年、酸化チタン(Tio2)の光触媒作用を利用し、抗菌や防汚、脱臭等の様々な用途分野に適用するための研究開発や実用化が進められている。たとえば、光触媒効率を高める方法の一つとして、ミクロンサイズの白金等の金属微粒子を酸化チタン上に担持し、酸化チタン表面に正孔を、金属電極表面に電子をそれぞれ分離させる方法が提案されているが、十分な効果は得られていない。また、従来の光触媒に用いられている酸化チタンはアナターゼ型であるため、光触媒反応が利用できる光は、紫外光に限られており、エネルギーの有効利用の観点から、可視光をも利用できる光触媒が望まれている。
 本新技術は、ルチル型酸化チタン微粒子を用い、白金等の有機金属錯体コロイド溶液を噴霧、焼成することにより、酸化チタン微粒子表面上にナノスケールの金属超微粒子を高密度で担持させ、光触媒効率を向上させた光触媒を製造する技術である。本新技術による光触媒は、従来のアナターゼ型酸化チタン単体と比して高い光触媒能を有するとともに、光触媒の安定性が高まり、かつ可視光域でも励起光源とすることが可能となる。そのため、室内空気の清浄や抗菌・防汚、大気汚染防止、水の浄化等、屋内外にわたり幅広い用途での利用が期待される。
 本新技術の開発は、大研化学工業株式会社(取締役社長 原田昭雄、本社 大阪市城東区放出西二丁目7-19、資本金 4,890万円、電話 06-6961-6533)に委託する予定で、開発期間は3年、委託開発費は2億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「金属超微粒子担持光触媒の製造技術」(背景・内容・効果)

開発を実施すべき新技術の評価

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