科学技術振興事業団報 第8号

平成9年2月20日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「電子衝撃脱離による表面分析装置」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、拓殖大学工学部 助教授 関節子氏らの研究成果である「電子衝撃脱離による表面分析装置」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 半導体産業の分野では、素子の高密度、高集積化に伴って、回路パターン等の微細化が進んでおり、今後もその傾向は続くと考えられている。このため、不良率を下げ、信頼性や歩留まりを向上する上で、製造プロセスの管理がますます重要になっている。その際、汚染部位や汚染状況、汚染物質を明らかにすることは、汚染の生ずるプロセスを明らかにする上で非常に重要であり、素子の微小領域における最表面層の分析が可能な装置が求められている。
 本新技術は、電子線を試料の表面に照射した際に発生するイオンの分析により、表面の原子、分子の種類を同定するとともに、同時に発生する二次電子を検出することにより、走査型電子顕微鏡による形状観察を同時に行える表面分析装置に関するものである。基板最表面の単原子層程度、あるいは表面吸着物を高感度で区別して分析できるとともに、従来の分析装置が苦手としていた軽元素や有機物の分析も可能である。このため、半導体製造プロセス等における評価装置として、また、固体最表面における物理現象等の研究用装置として、幅広く利用されることが期待される。
 本新技術の開発は、株式会社エリオニクス(代表取締役社長 本目 精吾、本社 東京都八王子市元横山町3-7-6、資本金 8,500万円、電話 0426-26-0612)に委託する予定で、開発期間は2年6カ月、委託開発費は1.3億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「電子衝撃脱離による表面分析装置」(背景・内容・効果)

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This page updated on March 3, 1999

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