科学技術振興事業団報 第68号

平成10年6月8日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「卵黄由来シアル酸及びシアリルオリゴ糖の製造技術」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、元福山大学工学部教授 山本 武彦氏らの研究成果である「卵黄由来シアル酸及びシアリルオリゴ糖の製造技術」を当事業団の委託開発課題の平成6年度課題として平成7年3月から平成10年3月にかけて太陽化学株式会社(社長 山崎 長宏、本社 三重県四日市市赤堀新町9-5、資本金77億円、電話 0593-52-2555)に委託して開発を進めていた(開発費8億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 シアル酸は動物の細胞に含まれており、糖タンパクや糖脂質の末端に結合して存在している。これらシアル酸誘導体は細胞やウィルスの接着阻害活性をはじめ多様な生理作用を担っていると考えられている。しかし、シアル酸やその誘導体のシアリルオリゴ糖は研究用試薬として少量が製造されているにすぎず、高価なものであった。
 本新技術は、脱脂した鶏卵卵黄を原料として、これを加水分解した後、膜分離、電気透析、クロマト分離などの操作によりシアル酸を製造するとともに、同様の原料を酵素分解した後、膜分離などの操作によりシアリルオリゴ糖を製造するものである。本新技術は、安定して安価に入手が可能な脱脂した鶏卵卵黄を原料とするため、大量の製品を製造ができる。製品である高純度シアル酸は、抗がん剤や抗ウィルス剤などの医薬品中間体への用途が期待されており、また、シアリルオリゴ糖は食品素材への用途のほか、糖鎖の研究などにも利用が期待される。

「卵黄由来シアル酸及びシアリルオリゴ糖の製造技術」(背景・内容・効果)

※詳細情報についてご希望の方は、当事業団総務部広報担当までお申し込みください。
 TEL:048-226-5606 FAX:048-226-5646


This page updated on June 19, 1998

Copyright© 1998 Japan Science and Technology Corporation.

www-pr@jst.go.jp