科学技術振興事業団報 第52号

平成10年3月5日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「カーボンマイクロコイルの製造技術」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、岐阜大学工学部 教授 元島栖二氏らの研究成果である「カーボンマイクロコイルの製造技術」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 炭素材料は、ダイヤモンドや黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、活性炭などの古典的なものから、炭素繊維やフラーレン、カーボンナノチューブ、ガラス状カーボンなど、いわゆるニューカーボンと呼ばれるものまで、様々な材料が開発されている。ダイヤモンドや黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維などは、その特性を活かし、様々な用途に用いられている。また、フラーレンやカーボンナノチューブなども新規な電池材料や水素吸蔵材料、超電導材料などの用途が期待されている。これら既存の炭素材料は、その形態としては、塊状、粉末状、薄膜状、繊維状など、様々な形態のものが存在するが、コイル状の形態を有するものはこれまで得られていなかった。
 本新技術は、Ni等の金属触媒及びチオフェン等の不純物ガス存在下で、アセチレンを熱分解(750℃前後)する化学気相成長(CVD;chemical vapor deposition)法により、コイル径がマイクロメートルオーダー(1マクイロは千分の1ミリ)のコイル形状の炭素材料(カーボンマイクロコイル)を製造する技術に関するものである。本新技術によるカーボンマイクロコイルは、コイル状という既存の炭素材料にない特異的形状に由来する特性を有すると考えられ、電磁波吸収材や三次元強化材等、その特性を活かした用途に利用されることが期待される。
 本新技術の開発は、揖斐電アセチレン株式会社(代表取締役社長 丹羽 禎輔、本社 愛知県大府市横根町箕手41-36、資本金 55百万円、電話0562-47-2141)に委託する予定で、開発期間は5年、委託開発費は8億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

カーボンマイクロコイルの製造技術(背景・内容・効果)

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