科学技術振興事業団報 第5号

平成9年2月6日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「ロータリー型心室内血液ポンプ」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、東京女子医科大学助手(ピッツバーグ大学特別研究員) 山崎健二氏らの研究成果である「ロータリー型心室内血液ポンプ」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 心筋梗塞や心筋症等の重症心不全患者の治療に、血液の補助循環装置として補助人工心臓が用いられている。現在使用されている補助人工心臓は、空気圧等を利用した拍動型のポンプを用いており、体外に駆動装置等を必要とする大掛かりな装置構成になっている。また、ポンプ部で血液を送り出すために用いられているポリウレタン等の高分子薄膜の耐久性や、ポンプ部への血液流入を制御している人工弁や高分子薄膜結合部付近での血栓の付着、凝固などの観点から、より小型軽量で信頼性の高い補助人工心臓が望まれていた。
 本新技術は、重症心不全患者の心臓機能を補助する血液ポンプに関するものであり、左心室下部(心尖部)より挿入したロータリー型ポンプが心室内の血液を吸引し、上行大動脈へ送り出すことにより、血流量を確保しつつ心臓の負荷を低減し、患者の病状改善を図るものである。本新技術による心室内血液ポンプは、小型で構造が簡単、血液滞留による血栓発生が少ないなどの特徴を有し、重症心不全患者の治療などへの利用が期待される。
 本新技術の開発は、株式会社サンメディカル技術研究所(社長 山嵜俊一、本社 長野県諏訪市諏訪1-3-11、資本金3,000万円、電話0266-53-9630)に委託し、開発期間は6年間、委託開発費は約10億円を予定している。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「ロータリー型心室内血液ポンプ」(背景・内容・効果)

※詳細情報についてご希望の方は、当事業団総務部広報担当までお申し込みください。
 TEL:048-226-5606 FAX:048-226-5646


This page updated on March 3, 1999

Copyright© 1999 JapanScience and Technology Corporation.

www-pr@jst.go.jp