(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CRESTタイプ)
戦略目標 「水の循環予測及び利用システムの構築」
研究領域 「水の循環系モデリングと利用システム」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
恩田 裕一 筑波大学 地球科学系 助教授 森林荒廃が洪水・河川環境に及ぼす影響とモデル化 人工林の管理の不備による森林の荒廃が将来の水循環、洪水発生、下流河川環境に与える影響の実態解明と予測を行うために、気候条件と地質条件が類似した山地に人工針葉樹林と広葉樹林が隣接する国内4ヶ所を試験地として選び、プロットスケール、源流域スケール、大流域スケールについて、流出水を測定し、同位体分析等と組み合わせて表面流出の割合を定量化します。さらにリモートセンシング技術を駆使し、それぞれのスケールでのモデリングを行い、今後の人工林の在り方と維持・管理についての基礎データを提供します。
小池 俊雄 東京大学 大学院工学系研究科社会基盤工学専攻 教授 水循環系の物理的ダウンスケーリング手法の開発 全地球の水循環系を記述する「統合地球水循環強化観測期間プロジェクト(CEOP)」の統合データセットを用いて、大気―陸面結合データ同化スキームの開発、また大循環モデルから領域モデル及び領域モデルから局所モデルへの物理的ダウンスケーリング手法の開発、さらに分布型流出モデルを用いた流出予測システムの開発を行うことにより、地球規模から地域規模の変動を組み込んだ河川流域の流出予測精度の向上を目指します。
鈴木 雅一 東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授 熱帯モンスーンアジアにおける降水変動が熱帯林の水循環・生態系に与える影響 気候及び気象学的視点から降水の様々な時間スケールでの変動を明らかにし、さらに降水変動が熱帯林の土壌水分を媒介として陸域水循環や陸上生態系への物質循環に与える影響をタイ、マレーシアにおける熱帯林試験地での観測により把握します。さらに、陸域水循環や陸上生態系への物質循環を予測可能とする水循環、物質循環モデル構築を目指します。
砂田 憲吾 山梨大学 大学院医学工学総合研究部 教授 人口急増地域の持続的な流域水政策シナリオーモンスーン・アジア地域等における地球規模水循環変動への対応戦略ー モンスーン・アジア地域では、急激な人口増加と人口の都市集中、農業開発と工業発展に伴う深刻な水問題がすでに顕在化しているが、今世紀中葉にかけてさらに深刻さが増すと予想されている。アジア途上国の水問題解決への日本の貢献を念頭において、湿潤地帯から乾燥地帯にわたるアジア地域を対象に異なる典型的な水問題を抱える9河川流域を選び、それぞれの流域での水問題の実態を構造的に把握・分析して、問題解決のための政策シナリオを提言します。また、統合的水資源管理を実現するための人文科学的評価も含む総合的ツールボックスを提示します。
永田 俊 京都大学 生態学研究センター生態学研究部門 教授 各種安定同位体比に基づく流域生態系の健全性/持続可能性指標の構築 生態系環境を考慮した流域管理を行うためには、流域生態系の健全性や持続可能性を指標化し、管理や復元の目標を明確にすることが重要ですが、この目標設定のために、水・物質・生物の安定同位体比を用いた総合的な流域生態系検査法の確立を目指します。さらに、東アジア各地の気候・歴史的特性を踏まえてこの検査法を幅広く適用し、共生型流域圏の創出に向けた流域管理計画の立案に貢献します。

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This page updated on September 18, 2003

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