(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CRESTタイプ)
戦略目標 「遺伝子情報に基づくたんぱく質解析を通した技術革新」
研究領域 「たんぱく質の構造・機能と発現メカニズム」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
荒木 弘之 国立遺伝学研究所 細胞遺伝研究系 教授 核酸合成に関わるたんぱく質複合体の構造と機能解析 多くの生命現象では、複数のたんぱく質による複合体の形成とその複合体の構造変換(リモデリング)が重要な機能を担っています。この研究では、染色体DNA複製の開始とRNAの核外輸送に関与するたんぱく質複合体に焦点をあて、これら複合体の形成と構造変換の制御機構を明らかにします。さらにこれらの研究から、細胞内反応を制御する人工分子スイッチの構築やRNA輸送を制御する抗エイズ創薬の可能性を探ります。
佐方 功幸 九州大学 大学院理学研究院生物科学部門 教授 細胞周期/チェックポイント制御たんぱく質の構造と機能の解析 順序立った細胞周期とそのチェックポイント制御は遺伝子情報の正確な複製と分配に必須であり、その制御の破綻は癌を初めとする多くの疾病の原因となります。本研究では、G2/M転移の主役であるCdc2を正・負に制御するたんぱく質群及びこれらを制御するチェックポイントたんぱく質のリン酸化等による構造・機能の制御を明らかにし、G2/M転移の本質に迫ります。その成果は、G2/Mチェックポイントを標的とした抗癌剤の開発等につながると期待されます。
鈴木 理 (独)産業技術総合研究所 脳神経情報研究部門DNA情報科学研究グループ グループリーダー FFRPたんぱく質群によるDNA・リガンド識別機構の解明 本提案は微生物の環境変化への応答、代謝、増殖、さらには細胞間情報伝達を制御する重要な転写因子グループであるFFRPたんぱく質群を研究対象とします。具体的にはFFRPのNドメインが塩基配列を系統的に識別する機構やCドメインが多様なリガンドを識別する機構の解明、FFRPを標的として、その種特異性に基づき細菌種ごとに対処する新しい創薬戦略の開発、少数の転写因子により多数の遺伝子群の環境的制御を可能とする機構の全体像の解明を行います。
藤田 禎三 福島県立医科大学 医学部生化学第2講座 教授 生体防御におけるたんぱく質間相互作用と機能発現機構の解析 本提案は、分子・原子レベルから細胞レベルまでを対象に蛋白質複合体の動的な構造変化に基づく生体防御の調節機構を解明します。生体が、コレクチンとフィコリン依存性に自己と非自己を規定する認識機構、引き続くセリンプロテアーゼ活性化による補体活性化メカニズムの解析、さらにファゴサイトーシスというダイナミックな細胞現象の場におけるNADPHオキシダーゼの活性化モデルなどから、機能発現のための複合体の構造変換の実態に迫り、その結果として感染症や自己免疫性疾患に対する生体の新しいバイオマーカーと自然免疫増強による感染防御システムの確立を目指します。

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This page updated on September 18, 2003

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