(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


○個人型研究(さきがけタイプ)
研究領域 「生体と制御」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
河津 信一郎 国立国際医療センター研究所   室長 マラリア原虫の酸化ストレス応答メカニズムの解明と新規治療戦略 赤血球に寄生するマラリア原虫にとって、宿主寄生体関係の最前線で原虫が被る酸化ストレスへの応答、即ち、原虫細胞内での抗酸化タンパクの発現調節機構は原虫の寄生適応の成否を左右する重要なメカニズムであり、その解明はマラリアの新しい制御法開発の起始点になると考えます。本研究では、マラリア原虫の酸化ストレス応答メカニズムをチオレドキシン系分子群の応答を中心に明らかすることを目的とします。また一連の研究から、新規抗マラリア薬標的分子の提供をも目指します。
谷内 一郎 九州大学 生体防御医学研究所 助手 リンパ球の分化を制御する転写調節機構の解明と治療への応用 本研究では、リンパ球分化を題材に、高等生物の分化過程で特異的な遺伝子発現パターンがどのように確立され、また維持されていくか分子レベルで明らかにすることを目指します。特に遺伝子不活性化におけるクロマチン構造の修飾と維持、Runxファミリーの機能に着目し、発生工学的手法を用い個体レベルでの解析も併せて行います。  また、ウイルスベクターを用いた人為的な遺伝子発現制御による新しい遺伝子治療法への応用にも取り組みます。
中川 一路 大阪大学 大学院歯学研究科 講師 オートファジー誘導による細胞内侵入性細菌の排除機構の解析と応用 細胞内に侵入した病原細菌の多くは、エンドソーム系からリソソームとの融合を経て分解されると考えられてきました。一方,細胞内の分解機構として、古い細胞内小器官を分解するオートファジーが注目されつつありますが、その詳細は明らかとされていません。この研究では、オートファジーが外来性の病原細菌の殺菌と排除にどのように関わっているのか、すなわち生体防御機構での重要性を解明することを目指します。
福井 宣規 九州大学 生体防御医学研究所 助教授 宿主応答を司る細胞骨格制御機構の解明とその応用 免疫系独自に進化した様々な細胞高次機能は、受容体刺激によって誘導される細胞骨格の再構築により巧妙に制御されています。本研究では、CDMファミリー分子DOCK2及びDOCK180を中心として、受容体刺激から細胞骨格再構築に至るシグナル伝達を解明し、その機能を個体レベルで明らかにすると共に、その成果に立脚して自己免疫疾患、移植片拒絶、感染症など現代医学が抱える難治性疾患の新しい治療法、予防法の開発を目指します。
堀 昌平 理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター 研究員 免疫制御性T細胞の分化メカニズムの解明とその免疫疾患治療への応用 免疫系には、広範な免疫抑制活性を示す制御性T細胞とよばれるT細胞サブセットが存在し、自己免疫、炎症、アレルギーなどの有害な免疫応答を負に制御して生体のホメオスタシスの維持に必須の機能を担っています。この研究では、制御性T細胞分化のマスター制御遺伝子として同定した転写因子Foxp3を手がかりとして、制御性T細胞分化の分子機構を明らかにします。そして、制御性T細胞分化の制御という切り口から、さまざまな免疫疾患に対する新たな治療法の開発を試みます。

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This page updated on September 18, 2003

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