科学技術振興事業団報 第353号
平成15年9月1日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp/

平成15年度委託開発事業の開発課題・開発実施企業を募集(第2回)



 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、平成15年9月1日(月)~平成15年10月31日(金)までの間、平成15年度委託開発事業に関する開発課題及び開発実施企業の第2回募集を行います。
 委託開発事業は、大学や国公立研究機関等で生まれた優れた研究成果(新技術)をもとにして企業等に開発費を支出し、研究成果の実用化(製品化)を委託する事業です。開発が成功の場合は開発費を無利子で返済していただきますが、不成功の場合には開発費の返済は不要(開発のリスク負担)というものです。
 また、中堅中小企業及び新規企業が開発を実施する場合には、成功時の開発費の返済に関し特例措置を設け、その技術開発を支援していくこととしております。

1.事業の趣旨
 委託開発事業は、国民経済上重要な科学技術に関する試験研究の成果(新技術)で、特に企業化が困難なものを開発課題として選定し、企業等に委託して開発を実施することにより、新技術の技術移転による企業化を促進することを目指すものです。

2.事業の概要
 委託開発事業では、国公私大学や国公立研究機関、独立行政法人等の公的研究機関で生まれた優れた研究成果(新技術)をもとに、事業団が企業等に開発費を支出し、研究成果の実用化(製品化)を委託し、開発が成功すれば開発費の返済を企業等に求めるものの、不成功の場合には開発費の返済を求めず、事業団が開発リスクを負担することで実用化を促進するというものです。
 開発実施企業において新技術に係る製品が製造販売されると、売上高に応じた実施料を納めていただき、事業団は原則としてその半分を新技術の所有者に配分します。

3.応募の要件
◇対象となる技術
  高度先端技術
 IT、ナノテクノロジー・材料等の最先端の技術。
  生活・社会技術
 環境、資源・エネルギー、食料、医療・福祉関連技術等人類の共存のための科学技術や豊かな生活・社会の実現が期待される技術。
  先端的基盤技術
 先端的な研究開発のツールとして用いられる科学技術や新しい応用分野を開拓する技術等先端的科学技術の研究開発の基盤となる技術。
  新産業関連技術
 新産業の創出・展開が期待される等の国民経済上重要な新技術。

◇開発課題の要件
  課題の要件
(1) 未だ企業化されていない新規な技術であること(新技術に基づく特許が登録もしくは出願されていること)。
(2) 開発に伴うリスクがあり、企業化が困難な技術であること。
(3) 国民経済上重要な科学技術であること(開発成果について相当の売上金額が見込まれること)。
(4) 実用化に必要な研究成果が蓄積されており、かつ現在の技術水準に比べて高い目標を掲げている技術であること。
 
(イ) 一 般 枠 :2~20億円程度
(ロ) 返済特例枠
中堅中小企業(資本金が10億円以下の企業)1~4億円程度
新 規 企 業 (設立登記後5年以内の企業)1~2億円程度
  開発期間
(イ) 一 般 枠 2~6年程度
(ロ) 返済特例枠
中堅中小企業2~4年程度
新 規 企 業 2 年程度

◇応募資格
  新技術の所有者(共有者の場合全共有者)と開発実施企業との連名であること。
  下記のどちらかに当てはまる者が新技術の所有者に含まれること。
 (ア) 国公私大学、国公立研究機関、独立行政法人・特殊法人の研究機関、技術移転機関等。
 (イ) 前記機関に所属する個人。
  開発実施企業は下記の要件を満たす企業であること。
(1)一 般 枠
 (ア) 当該技術分野に関する技術開発力等の技術基盤を有すること。
 (イ) 開発成功後、開発費の返済の見通しがあること。
 (ウ) 経営基盤として、以下に該当しないこと。
直近3期の決算期において3期連続して経常損失を計上している。
直近3期の決算期において1期でも債務超過となっている。
直近3期の決算報告書がない。
破産、再生手続開始、会社整理開始又は会社更生手続開始の申立てをしている。
 (エ) 開発成果を実施するための営業体制があること。

(2)返済特例枠
 (a)中堅中小企業
 (ア) 当該技術分野に関する技術開発力等の技術基盤を有すること。
 (イ) 開発成功後、開発費の返済の見通しがあること。
 (ウ) 経営基盤として、以下に該当しないこと。
直近3期の決算期において3期連続して経常損失を計上している。
直近3期の決算期において1期でも債務超過となっている。
直近3期の決算報告書がない。
破産、再生手続開始、会社整理開始又は会社更生手続開始の申立てをしている。
 (エ) 開発成果を実施するための営業体制があること。

 (b)新規企業
 (ア) 製造販売を行う技術開発型企業として、経営に関する明確かつ適切な理念や指針(ビジネスプラン)を有していること。
 (イ) 当該新技術の開発を行うに当たり、当該分野の開発に実績のあるスタッフを有する等の技術基盤を有すること。
 (ウ) 当該新技術の開発を実施しながら企業活動を行うことができるための資金調達等の財務計画が明確であること。また、開発成功後、成果実施(製品販売)による営業体制を含む販売計画が立っており、売上げに応じた開発費の返済の見通しが明確であること。
 (エ) 破産、再生手続開始、会社整理開始又は会社更生手続開始の申立てをしていないこと。

◇返済条件
 (開発成功の場合)
 (1) 一 般 枠
返済金:開発費を8年以内の年賦。(無利子)
開発費返済時の担保:不動産、有価証券又は銀行等による連帯保証。
 (2) 返済特例枠
(a) 中堅中小企業
返済金: 開発費の1/2は、8年以内の年賦。(無利子)
開発費の残り1/2は、15年以内に、成果の売り上げに応じて(5%)返済することが可能。(無利子)
開発費返済時の担保: 年賦分(開発費の1/2)は不動産、有価証券又は銀行等による連帯保証。
売上に応じた分(開発費の1/2)は、開発に係る工業所有権等を充てることが可能。
(b) 新規企業
返済金: 開発費は15年以内に返済、その方法は成果の売り上げに応じて(5%)返済することが可能。(無利子)
開発費返済時の担保: 不動産、有価証券又は銀行等による連帯保証とするが、開発に係る工業所有権を充てることも可能。
(注): 中堅中小企業と新規企業における開発費返済の条件(担保設定を含む)には、開発成功認定の日以降1年以内に新技術開発成果実施契約を締結することが必要です。
 (開発不成功の場合)返済不要(原則として、設備等を事業団に無償で引き渡していただきます。)

◇実施料 原則として製品売上高の4%
(但し、技術開発の社会的ニーズが高く中長期的には採算性があるものの市場が顕在化していない課題(生活・社会技術分野)や事業団が支出する開発費相当以上の自己負担を有する課題については製品売上高の2%となる場合があります。)

4.募集締切
締め切りは、平成15年10月31日(金)(必着)です。

5.募集説明会および委託開発成果報告会
日 時場 所委託開発成果報告テーマ
平成15年9月24日(水曜日)
13:30~16:30
(財)大阪科学技術センター
(大阪市西区靭本町1-8-4)
Tel.06-6443-5322
「酸化チタン技術の新展開」
金属超微粒子担持光触媒の製造技術:大研化学工業(株)
微細薄片状チタンの製造技術:石原産業(株)
平成15年10月7日(火曜日)
13:30~16:30
JST東京本部 サイエンスプラザJSTホール
(東京都千代田区四番町5-3)
Tel.03-5214-8994
「材料加工技術の高度化」
金属磁性材料用反応性イオンエッチング技術:アネルバ(株)
電子線照射による高機能フッ素樹脂の製造技術:日立電線(株)
(注) 表中会場の電話番号は説明会当日にご連絡いただく際のものです。

6.問い合わせ先
〒102-0081 東京都千代田区四番町五番地三 サイエンスプラザ9階
科学技術振興事業団 企業化開発事業本部 開発部 開発計画課 柿澤、奈良坂
TEL 03-5214-8994 FAX 03-5214-8999

詳細はホームページをご覧下さい。
http://www.jst.go.jp/jst/itaku-j.htm
(注意)違反行為(虚偽申請・報告、他の公的助成・委託制度等との重複受給等)が明らかになった場合、選定を取り消し、開発の中止、開発費の一括返済、損害賠償等が行われる可能性があります。

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