科学技術振興事業団報 第312号
平成15年5月6日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp/

科学技術振興事業団の機関評価(事業運営全般)結果について

 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、これまでに事業団の事業を「技術移転推進事業」、「科学技術情報流通促進事業」、「基礎的研究推進事業」、「研究交流促進・研究支援事業」、「科学技術理解増進事業」の5つに大別し、それぞれの事業毎に評価を行ってきた。今回、これらの結果を総合して事業全体についての評価を行い、一連の機関評価を完了した。
 評価は、事業団の外部から選任された14名の評価者からなる総合評価委員会(委員長 熊谷 信昭(大阪大学名誉教授))により実施された。
 本報告では、個別事業評価の概要について述べた上で、事業運営全般についての評価、個別事業に関する評価・提言に対する事業団の対応状況、そして独立行政法人化も踏まえた今後の事業のあり方に関する提言について取りまとめた。

1. 事業運営全般についての評価

 現在の事業団の年間予算は、発足時の平成8年度から倍増し、事業量も大幅に増大している。その中で、これらの多くの事業を的確に実施し、科学技術政策の中核的実施機関としての期待に応えている点は高く評価できる。効率的な業務運営の努力も認められるが、10月からの独立行政法人化を控え、更に効率化の検討が不可欠である。また、各事業間の連携にも努力がなされているが、今後、一層の努力を期待する。

2. 個別事業に関する評価・提言への事業団の対応

 これまでに行った評価・提言に対する事業団の対応状況を示した。全体として、事業団において真摯な対応がなされていると認められる。

3. 今後の事業のあり方に関する提言

 トップダウン型で科学技術振興を図っているが、研究者等の意向を十分に尊重しつつ事業を進めてきた点は事業団の大きな特長であり、積極的に評価できる。
 また、既存の組織の壁を越えた研究体制を組織し、人的ネットワークを構築するという事業団の事業手法は他機関には見られないものであり、今後一層業務を発展していくことが期待される。
 また、委員会は事業全体のあり方について、次の7つが重要であるとして提言した。
基本ミッションの再確認と変化への迅速、柔軟な対応
 科学技術基本法に基づく施策を総合的に実施する中核的推進機関として、今後も関係機関と密接に連絡をとり、政府の科学技術振興施策を推進する観点から事業を総合的に展開していくことが必要。同時に、実施している事業が時代の要請に応えているか自ら問い直し、迅速に事業内容、実施方法等を見直す姿勢が必要である。
変革を先導する事業への取り組み
 事業団は、これまで、日本の科学技術システムの変革を先導するような事業を実施してきた。この姿勢を今後も持ち続けることが重要である。
関係機関との連携強化
 大学等の研究機関、企業との連携はもちろん、技術移転事業におけるTLO、科学技術理解増進事業における学校、草の根的活動との連携も強化すべきである。
国民への説明責任、事業団事業の認知度の向上
 事業を実施していくうえで「国民に十分説明できているか」という視点が重要。また、事業団は重要な事業を実施しているにもかかわらず、国民一般の事業団に対する認知度は低いと感じられるので、今後認知度の向上に努力すべきである。
中小企業、学協会への浸透
 今後きめ細かな事業の周知活動を行い、中小企業の事業への参画が増えるように努力すべきである。また、学協会に対する支援という視点を持って事業を進めることを期待する。
事業団内部の人的体制の充実
職員が努力、研鑽する雰囲気を醸成するとともに、研修プログラムの充実も必要。
人文・社会科学と自然科学との連携の強化
 我が国の科学技術の変革を先導する取り組みの一つとして、人文・社会科学と自然科学の連携強化に積極的に取り組んでもらいたい。
(注1) この発表についての問い合わせは、企画室 内野(うちの)、天野(あまの)までご連絡下さい。電話番号 048(226)5608

(注2) 本評価結果および過去機関評価は、事業団のホームページにて閲覧できます。
ホームページアドレス http://www.jst.go.jp/announce/hyouka/index.html

科学技術振興事業団機関評価報告書


This page updated on May 6, 2003

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