失敗知識データベースの試験公開を開始 | ||||||||
科学技術振興事業団(JST:理事長 沖村憲樹)では、科学技術分野の事故や失敗を未然に防止し、技術の信頼性と社会の安全性の向上に資するため、科学技術分野の事故や失敗の事例の収集と分析を行い、事例の分析で得られる教訓を共有できる知識として整理し、これらを収録した失敗知識データベースの整備を進めてきました。 これまでの成果を試験的に公開し、利用者からの意見を収集してその要望を今後のデータベースの構築に役立てるため、平成15年3月27日より以下のURLで試験公開(無料)を開始いたします。 | ||||||||
http://shippai.jst.go.jp/
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文部科学省が、失敗経験を積極的に活かすための方策について検討するために開催している「失敗知識活用研究会」(会長:佐藤文夫株式会社東芝相談役)は、平成13年8月に取りまとめた報告(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/001/toushin/010801.htm)において「失敗経験から獲得された新たな知識・データ等を構造化したデータベースの構築」を提言しました。本データベースの整備は、この提言を受けて推進しています。 JSTは、本事業の統括を 畑村洋太郎 工学院大学教授に委嘱し、畑村統括を委員長とする失敗知識データベース推進委員会において、科学技術分野における失敗事例の収集を行うとともに、データベースの仕様や分析方法を検討しました。失敗事例の分析を進めた結果、失敗に至る脈絡を原因、行動、結果の観点から階層的にまとめた「失敗まんだら」(図1~3:PDF形式)と、原因、行動、結果のキーワードを因果関係を考えて配列した「シナリオ」(図4)という表現法を開発し、これに基づき事例の分析・整理を行っています。 失敗事例の収集、分析は分野ごとに行っており、機械、材料、化学物質・プラント、建設の4分野のデータを収録しています。 データベースの検索は、失敗まんだらの用語を用いてシナリオを検索する「シナリオ検索」及び事例情報やシナリオをキーワードによって検索する「キーワード検索」ができます(図5:PDF形式)。検索結果の一覧では、事例ごとに付与された「代表図」により事例内容の直感的理解の向上を図っています。 試験公開開始時に提供するデータは4分野合計約560件の事例情報及びシナリオで、今後もデータの追加更新を行う予定です(図6に事例情報の主なデータ項目を示します)。 | ||||||||
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