(補足説明)
・ ナノ秒パルスレーザ
 ナノ秒領域(~1億分の1秒)の短い時間幅の光パルスを発生させるレーザ。レーザのピーク出力が高いため、マーキングやプリント基板の穴あけ加工などの産業に応用されている。

・ 超短パルスレーザ
 ピコ秒領域(1兆分の1秒)以下の非常に短い時間幅の光パルスを発生させるレーザ。この間に光が進む距離はミクロンオーダーと非常に短く、時間的かつ空間的に狭い範囲にレーザのパルスエネルギーを集中させることができるため、非常に高強度の光を発生させることができる。この特性を利用して、レーザ超微細加工、レーザ機能性薄膜創製、レーザ医療など、様々な応用分野が期待されている。超短パルスレーザは、高品質の超微細加工等を可能とするもので、ナノテクノロジーを始め半導体や高機能の機械加工、化学反応制御に不可欠な次世代のキーテクノロジーである。
 現在一般に超短パルスレーザとして市販されているTi(チタン)サファイアレーザは、電力の変換効率が1 %以下と非常に低く、平均出力が1 W程度しかないのに加え、大型で不安定などの諸問題がある。このため、いまのところ超短パルスレーザが応用されているのは実験室レベルの基礎研究分野のみで、産業への応用は進んでいない。

・ レーザ発振-増幅器システム
レーザ発振器の出力をレーザ増幅器で増幅するシステム。超短パルスレーザ発振器は一般に小出力で、そのままでは産業応用が限られてしまうが、これを今回開発したような高平均出力のレーザで増幅することにより、安定で高平均出力の超短パルスレーザシステムを実現できる。

・ 微細ロッドYb:YAGレーザ
Yb:YAGレーザ結晶を、端面が1 x 1 mm2、長さが30~50 mmの直方体に成形させた微細ロッド状のレーザ結晶用いたレーザである。

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