科学技術振興事業団報 第28号

平成9年7月31日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「フロンの低温接触分解技術」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、元 富山工業高等専門学校 教授 篠田清徳氏および富山工業高等専門学校 教授 宮谷大作氏らの研究成果である「フロンの低温接触分解技術」を当事業団の委託開発課題の平成6年度課題として平成7年3月から平成9年6月にかけて株式会社小松製作所(社長 安崎 暁、本社 東京都港区赤坂2-3-6、電話(03)5561-2616、資本金 701億円)に委託して開発を進めていた(開発費約266百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 フロンは、地球のオゾン層を破壊するとして、1995年末をもって国際的にその生産が禁止され、既に製造されたものについては回収して、分解・処理したり、精製して再利用することで大気中への放散を防止することとなった。
 本新技術は、オゾン層破壊の主因とされるフロン(フッ化炭化水素)を化学反応により分解、無公害化するもので、鉄や銅の化合物を触媒として用いて、フロンをメタノールとともに加熱し気化させ、触媒との接触により分解反応を行い、生成するフッ酸等をアルカリで中和し、 最終的にメタンと水として分解・処理するものである。
 本新技術は、温和な反応条件(約400℃、常圧)でフロンが分解でき、処理量や処理形態に応じた装置規模・形式の設計の自由度が高く、装置を小型化できる等の特徴を有することから、フロン等の分解処理に利用が期待される。

「フロンの低温接触分解技術」(背景・内容・効果)

本技術によるフロンの低温接触分解装置(写真)

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