氏名 |
所属機関 |
所属学部・
学科など |
役職 |
研究課題名 |
研究課題概要 |
岩本 武明 |
東北大学 |
大学院理学研究科 |
助手 |
ケイ素単体表面構造をもつ配位不飽和ケイ素分子の創製 |
ケイ素単体表面は工業的に重要で、機能性有機材料や分子素子の基板としても 注目されています。各機能の付与が可能なケイ素単体表面の利用にはその構造と反応の理解と制御 が重要ですが、原子・分子レベルではまだ十分ではありません。本研究ではケイ素単体表面構造をもつ新規な配位不飽和ケイ素分子を合成し、これを用いてケイ素表面の構造と反応性を分子レベルで理解します。さらに新しいケイ素表面修飾反応につなが る反応を探索します。 |
垣内 史敏 |
大阪大学 |
大学院工学研究科 |
講師 |
触媒的不活性炭素結合切断反応の設計・開発・展開 |
炭素-水素結合は、結合安定性が高いため、各種反応に利用することは非常に困難です。この結合を合成反応に利用することができれば、直截的な合成手法となります。本研究では、この炭素-水素結合切断を経る触媒反応を利用して炭素-炭素結合形成を実現させます。特に、炭素-炭素結合生成と同時に官能基導入が行える反応系の開発を目指します。また、触媒反応の鍵中間体の構造を精密にデザインし、効率の高い触媒系の開発を目指します。 |
澤村 正也 |
北海道大学 |
大学院理学研究科 |
教授 |
遷移金属錯体触媒の精密組織化と応用 |
本研究では、遷移金属錯体を固体表面上に原子レベルで精密に組織化することにより、自在設計可能な触媒活性表面を構築して、多金属中心による協同的触媒作用や表面形状による分子認識を利用した反応系開発を目指します。固体表面には水素終端化シリコン表面 Si(111)-Hを用い、オレフィンのヒドロシリル化反応により表面修飾を行います。 |
塩見 大輔 |
大阪市立大学 |
大学院理学研究科 |
助教授 |
スピン波動関数変調型有機フェリ磁性体の開拓 |
分子間相互作用による「スピン波動関数の量子変調」にもとづいた、新しい分子スピニクス-分子スピンの量子化学的制御-を開拓します。安定な有機ラジカルや遷移金属イオンを超分子化学的手法によって配列制御したヘテロ分子集積系を構築し、外場(圧力や磁場)による磁気スイッチングを実験的に見出します。スピン波動関数の変調というまったく新しい動作原理による磁気分子スイッチング素子・メモリ素子の基礎の確立をめざします。 |
徳山 英利 |
東京大学 |
大学院薬学系研究科 |
講師 |
天然物の構造モチーフを基盤とした機能性分子の開発 |
本研究は、光学活性チアゾリン、インドール等の複素環の繰り返し構造により形成 される構造モチーフに基づいた、新規機能性分子の創製を目的としています。まず、繰り返し構造の簡便かつ一般的な合成法の開発を行い、構築した構造モチーフを基に、基質の立体化学 や高次構造の認識可能な人工酵素の創製を試みます。また、ビスインドール構造を骨格とした、新規抗腫瘍性化合物の創製に関しても挑戦します。 |
中村 正治 |
東京大学 |
大学院理学系研究科 |
講師 |
不飽和炭化水素類を活用する精密合成反応 |
合成化学の基本は、手に入りやすい簡単な分子から、複雑な構造の有用分子を作り出すことです。本研究では、エチレン・アセチレン類などの有機工業化学の基本的な原料を、精密有機合成に直接活用する新規の分子変換プロセスの開発を目指します。新たな有機金属活性種を創り出すことによって、これらの不飽和炭 化水素類を用いる効率的な結合生成反応を見いだし、貴重な化石資源の有効利用に新しい道を拓くことを目指します。 |
西川 俊夫 |
名古屋大学 |
大学院生命農学研究科 |
助手 |
次世代型天然物合成を目指した基礎的研究 |
天然から発見された有機化合物(天然物)の中には、優れた生理活性を示し医薬品などへの利用が期待されながら、ごく僅かしか得られないために化学合成による供給が求められているものが数多くあります。しかしその多くは複雑な構造のため、現在なお完全化学合成による供給が極めて困難な状況にあります。本研究では天然物合成への社会的要求に 応えられるような効率良い合成を実現するために必要な解決策を見出すことを目的 としています。 |
二木 史朗 |
京都大学 |
化学研究所 |
助教授 |
細胞を標的とする機能性ペプチドの開発と展開 |
現在 までに、アルギニンに富む多くの分子が細胞内タンパク質導入キャリアとなりうることを見いだし、様々なデザインのキャリア分子が設計できることを示してきました。本研究では、ペプチド化学・ペプチド工学的アプローチにより、これらのペプチドの膜透過機序を解明するとともに、高い膜透過能と細胞選択能を併せ持った新しい概念による高機能性キャリアペプチドを開発することを目指します。 |
眞鍋 史乃 |
理化学研究所 |
中央研究所 |
研究員 |
糖鎖迅速合成と多様性指向型合成への挑戦 |
本研究は、多様性を持つ化合物群を迅速に合成する技術の構築を目的とします。生体内で重要なはたらきを持つことが知られている糖鎖を目的化合物とし、有機化学的手法による糖鎖の迅速合成の手法を展開するとともに、それらをもとに多様性を持つ化合物を創成する技術を開発します。さらにはタンパク質阻害機能を持つ糖鎖を合成し、薬剤開発への第一歩とします。 |
村上 啓寿 |
大阪大学 |
薬学研究科 |
助教授 |
蛋白核外移行を制御する生物活性物質の合成 |
細胞内の核から細胞質に移動する蛋白の一部には、エイズウイルスやガン細胞の増殖に重要な働きをするものが知られています。これらの蛋白は細胞質内で機能するため、細胞質へのこれらの蛋白の移動を制御する物質は、人類を癌やエイズの脅威から救出する可能性を秘めていると考えられます。本研究では、蛋白の核から細胞質への移動制御に関する作用メカニズムを解明し、新たな抗エイズ薬や抗がん剤の開発につながるような化合物の合成・発見を目指します。 |
森田 靖 |
大阪大学 |
大学院理学研究科 |
助手 |
スピン非局在型有機中性ラジカルの創製とその電子構造・物性の解明 |
室温空気中でも安定な開殻有機分子の創出は、電子構造の理解や純有機物から成る強磁性体を合成する方法として注目されています。我々は新しい骨格・電子系を有する安定なスピン非局在型の中性ラジカルの開発に成功し、トポリジー的対称性やレドックス状態の制御に基づく諸性質を明らかにしてきました。本研究ではさらに大きな非局在型π-スピン系を有する平面および曲面構造の安定な開殻分子の合成を目指します。 |
山子 茂 |
京都大学 |
大学院工学研究科 |
助教授 |
新しいリビングラジカル重合による有機ナノ分子合成 |
有機テルル化合物を用いるリビングラジカル重合(TERP)は、我々が最近開発した新しい重合反応系であり、極めて優れた特性を持つことがわかってきています。本研究では、この反応の高次制御を行うことで、生成するポリマーの大きさとミクロな立体構造とを精密に制御し、ひいてはナノメーターサイズのマクロな構造を制御することに挑戦します。 |