平成13年10月17日 埼玉県川口市本町4−1−8 科学技術振興事業団 電話(048)226-5606(総務部広報室) |
科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)は、名古屋大学 教授 毛利佳年雄氏の研究成果である「車載用磁気インピーダンスセンサ」を当事業団の委託開発制度の平成10年度課題として、平成11年3月から平成13年8月にかけて愛知製鋼株式会社(代表取締役 取締役社長 柴田雄次、本社 愛知県東海市荒尾町ワノ割1 資本金
約250億円、電話:052-604-1111)に委託して開発を進めていた(開発費約262百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
磁気センサは、磁気信号を非接触で電気信号に変換する機能電子デバイスである。自動車においてもMR(磁気抵抗効果)センサ等が多数(20個/台程度)使用されているが、検出感度が低いため組み付け精度を要する等の問題があり、システムとして高コストになっており、車載環境に適合した小型、低消費電力で、検出感度に優れた磁気センサが求められていた。
本新技術は、FeCoSiB系アモルファスワイヤを感磁媒体として用い、これに高周波電流を通電したとき、外部磁界により磁気インピーダンスが大きく変化するMI効果を利用した車載用磁気インピーダンスセンサ(MIセンサ)の製造技術に関するものである。本MIセンサはMI素子部において、アモルファスワイヤの電極接合にアルミニウム接合剤を用いた超音波接合により、接合力を高めることができ、耐振動性、耐熱衝撃が飛躍的に向上した。さらに、センサ素子を駆動する電子回路については、アナログスイッチを活用した検出回路の開発により温度安定性を向上させることに成功した。また、量産プロセスにおいては、アモルファスワイヤを平面基板上にストレスを与えることなしに組み付ける方法を考案し、従来センサに対し1,000倍の感度を有し、安定した信号出力を示す車載用途の高感度磁気センサが開発できた。
本新技術により、自動車用途の過酷な条件下でも安定性に優れた車載用途の高感度磁気センサとしての利用が期待される。
・「車載用磁気インピーダンスセンサ」の開発に成功(背景・内容・効果)
・開発を終了した課題の評価
・図1.アモルファスワイヤの磁気特性
・図2.MI効果(高周波表皮効果)
・図3.超音波ボンディング法
・図4.熱衝撃試験結果
・図5.接合部の断面図
・図6.MIセンサ温度安定性の比較
・図7.MI素子の外観図
・図8.MIセンサの外観図
(注) | この発表についての問い合わせは以下の通りです。 | ||||||||||||
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