別紙1
課題名: | 低温成膜用酸化チタン原料の製造技術 |
研究者: | 大阪府立大学工学研究科 南 努教授、松田厚範講師、辰巳砂昌弘教授 |
委託予定企業: | 古河機械金属株式会社(取締役社長 吉野哲夫、本社 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号、資本金236億円) |
開発期間3年、委託開発費3.5億円の予定 |
本新技術は、アナターゼ型酸化チタン含有薄膜を100℃以下の低温で合成可能なゾルを製造するものである。
本新技術による酸化チタン原料を用いることにより、100℃以下の温水処理によって透明で高い光触媒能を持つアナターゼ型酸化チタンナノ微結晶含有薄膜を製造することが可能となり、様々な基材への酸化チタンコーティングが可能となる。
本新技術の背景、内容、効果は次のとおりである。
(背景) | 広がる光触媒市場の中で、低温で簡易な方法によるアナターゼ型酸化チタンを製造する技術が望まれている。 |
今日、アナターゼ型酸化チタンはその優れた光触媒効果によって注目されており、その実用化が行われている。これまでアナターゼ型酸化チタンを得るためには、非晶質酸化チタン膜を形成し、400〜500℃の熱処理を行っていた。
(内容) | ゾルゲル法により、低温成膜用の酸化チタンゾルを製造する。 |
本新技術は加水分解性を有するチタンアルコキシドとシリコンアルコキシドを共加水分解することにより低温成膜用酸化チタン原料を製造するものである。成膜段階においてはこれをコーティング、温水処理を行うことによって、アナターゼ型酸化チタン含有薄膜が得られる。
(効果) | 穏和な条件下でアナターゼ型酸化チタンを得ることが可能 |
本新技術には次のような特徴がある。
1. | アナターゼナノ微結晶が膜中に高分散析出するため高い光触媒活性が実現できる。 |
2. | 100℃以下の低温処理でアナターゼ型酸化チタン含有薄膜が得られるため、熱に弱いプラスチックなどに対する酸化チタン処理を可能とする |
3. | 透明度の高いアナターゼ型酸化チタン含有薄膜を得ることができるため、基材の意匠性を損なうことがない。 |
従って、次のような用途が期待される。
1. | プラスチックなど高温処理できない基材に対する酸化チタンコーティング |
2. | 意匠性の高い基材に対する酸化チタンコーティング |
3. | 光触媒によって分解される基材に対する酸化チタンコーティング |
This page updated on August 24, 2001
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