科学技術振興事業団報 第156号

平成13年3月22日
埼玉県川口市本町4−1−8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「プレス部品高自由度複合生産システム」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 川崎雅弘)は、神奈川大学 工学部 機械工学科 教授 青木 勇氏の研究成果である「プレス部品高自由度複合生産システム」を当事業団の委託開発制度の平成9年度課題として、平成10年3月から平成13年1月にかけて株式会社放電精密加工研究所(代表取締役社長 二村 昭二、本社 神奈川県厚木市飯山3110、資本金 約8億8,900万円、電話:046-250-3951)に委託して開発を進めていた(開発費約3億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 プレス加工業界では、消費者ニーズの多様化に伴い、部品の高精度化、より付加価値の高い加工や、さらなるコストダウン、多品種少量生産への対応を可能とする生産システムが求められている。
 本新技術は、従来の加工法では複数の加工技術を別工程で組み合わせなければ製作できなかった複雑な三次元形状部品や、塑性加工の限界を超えた寸法の部品を一連の工程(インライン)で一体成形できるようにした生産システムである。開発した内容は次の通りである。
 @異形の金属薄板を積層することで三次元形状部品を成形する高精度積層ユニットの開発 Aプレス工程に切削加工を組込み塑性加工では不可能とされる高精度形状の成形を可能にした切削ユニットの開発 B異材質・異形状で厚さの異なる金属薄板を積層することで組立てまで一連の工程で可能にしたロータリー積層ユニットの開発 Cベースマシンとなる油圧/NCデジタルサーボプレス機の開発 D塑性加工の限界を超える深絞り・シゴキ加工を可能にしたサーボモーターにより駆動するベースマシンの開発等加工精度の高いシステム。
 本新技術により、高付加価値の部品製造が容易となり、特に高機能化とコストダウン、短納期を目的とした自動車・電子機器部品への利用が期待される。


「プレス部品高自由度複合生産システム」の開発に成功(背景・内容・効果)
開発を終了した課題の評価
図1 従来技術による柱状の積層部品(同一形状)
図2 新技術による異形状積層法
図3 ギアの積層部品(OA機器部品)
図4-a) 異形状積層部品(異形状の積層部品)
図4-b) 異形状積層部品(異材質の組立積層)
図5 サーボプレスによる超深絞り部品
図6 精密冷間鍛造加工部品
図7 システム外観図1(プレス・切削複合加工システム)
図8 システム外観図2(ロータリー式異形状積層システム)

(注) この発表についての問い合わせは以下の通りです。
科学技術振興事業団 開発業務部 管理課長 草野辰雄
管理課 井口 穣[電話(03)5214-8996]
株式会社放電精密加工研究所 メカトロ事業部 村田 力[電話(045)937-6601]

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