共同研究相手機関、相手側代表研究者について


共同研究相手機関: ニューヨーク州立大学
相手側代表研究者: Frederick Sachs 教授

1.相手機関の概要
 ニューヨーク州立大学は、1948年に創立され、キャンパス数は64、学生数は約40万人である。中でも相手側代表研究者の所属するバッファロー校は、ニューヨーク州最大規模の総合公立大学であり、全米における研究志向型公立大学の中でトップランクに位置している。特に自然科学部門が充実しており、工学、化学、物理、生物学、歯学、医学生物学の各部門は全米トップクラスの研究者を多数有している。最近では特に構造生物学部門の充実がめざましく、F.Sachs博士やノーベル賞受賞者の結晶学者であるH.Hauptoman博士らが中心となって、構造生物学センターの設立が進行している。

2.これまでの関係
 これまでに数多くの日本人研究者が滞在しており、特に医学生物学分野でその傾向が顕著である。ノーベル賞受賞者の生理学者であるJ. Eccles博士がかつて生物物理部門の教授であったことで多くの生理学者がPDFあるいは客員教授として滞在した。また、生体膜のモデルを提出したことで有名なDanielli-Davosn教授のPDFであった大木新平博士は教授の跡を継いで、現在生物物理部門の教授になっている。曽我部代表研究者も1987年から約1年間生物物理部門に滞在し、Sachs博士と共同研究を行った。

3.相手側代表研究者について
 Sachs教授の名を一躍有名にしたのは、1984年に、はじめて機械受容(MS)チャネルを発見し、厳密な解析と優れた議論により、この新しい型のイオンチャネルに市民権を与えた業績である。以来今日に至るまで、MSチャネル研究の先頭に立って次々とユニークな研究と総説を発表し、この分野の隆盛を確立してきた第一功労者である。
 1987年以来、曽我部代表研究者と共同で、パッチ膜形状、パッチ膜容量、およびMSチャネル電流を同時計測するマルチ計測顕微鏡を開発し、MSチャネルの真の刺激が膜張力であることを証明した。また同じく共同でMSチャネル活性化機構の物理モデルを構築した。最近では、MSチャネルの生理学や分子生物学を展開するべく、クモ毒をベ−スにした特異的ブロッカ−の開発や単一MSチャネル電流の効率的な解析法の開発、あるいは原子間力顕微鏡のMSチャネル研究への応用など幅広く活躍している。


This page updated on December 24, 1999

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