科学技術振興事業団報 第113号


平成11年7月15日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「量子井戸構造半導体赤外線(3〜5μm)レーザ素子の製造技術」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、静岡大学 工学部 教授 藤安 洋氏、同 助教授 石田明広氏らの研究成果である「量子井戸構造半導体赤外線(3〜5μm)レーザ素子の製造技術」を当事業団の委託開発課題の平成6年度課題として平成7年3月から平成11年3月にかけて浜松ホトニクス株式会社(社長 晝馬輝夫、本社 静岡県浜松市砂山町325-6、電話 (053)452-2141、資本金 866,710万円)に委託して開発を進めていた(開発費 5.5億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 近年、地球温暖化や大気汚染など地球環境の計測や通信あるいは医療において、固体素子を用いた中赤外線(2〜15μm)レーザが強く望まれている。
 本新技術は、蒸着膜昇華法を用いたホットウォールエピタキシーにより良質の半導体結晶薄膜を形成することにより、電子冷却素子で動作可能な、波長3〜5μm帯で発振する半導体赤外線レーザを実現するものである。
 本新技術は、蒸着膜昇華法を用いたホットウォールエピタキシーにより良質なW−Y族化合物半導体(PbS)結晶を成長させ、活性層を多重量子井戸構造とするとともに、クラッド層と活性層とのエネルギーギャップ差を大きくすることにより、電子冷却素子による冷却 (200K以上)で動作可能な波長3〜5μm帯で発振する半導体赤外線レーザに関するものである。
 本赤外線半導体レーザは、地球温暖化や大気汚染に関する大気中ガスの濃度測定や光通信などにおいて利用が期待される。

「量子井戸構造半導体赤外線(3〜5μm)レーザ素子の製造技術」の開発に成功(背景・内容・効果)

開発を終了した課題の評価

開発したレーザ(写真)

※この発表についての問い合わせは以下のとおりです。

科学技術振興事業団 開発業務部参事役管理課長 草野辰雄[電話(03)5214-8996]
管理課 久保 亮
浜松ホトニクス株式会社 広報室 海野賢二[電話(053)452-2141]

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