科学技術振興事業団報 第11号

平成9年2月25日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「IC検査用カードの製造技術」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、筑波大学物理工学系助教授(同大学先端学際領域研究センター) 喜多英治氏らの研究成果である「IC検査用カードの製造技術」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 集積回路(IC)の製品製造においては、個々のICチップに切断する前にウエハの状態でICに通電して、動作不良のチップを見つけるための機能検査を行っている。(図1)従来、このような検査では円板状の検査用治具(IC検査用カード、注1)の下面に配列されたタングステンの針をICの電極(注2)に密着させて通電している。(図2) しかしながら、従来のIC検査用カードは、細い針状の電極をICの電極に接触させる方式であるため、急速に進展するICの高集積化や高速化に対応しにくくなってきている。このため、針のかわりに数十μm径の微小な突起(バンプ)を用いるIC検査用カードが開発されているが、全てのバンプが必ずしも相手電極に良好に接触しない場合があるなどの問題があった。
 本新技術は、IC検査用カードの電気的接点となるバンプを、微小なノズルから金属の超微粒子を吹き出させ堆積する技術であるガスデポジション法により、カード基材上の任意の目的箇所に形成するものである。このバンプ形成法によれば、バンプの位置が互いに独立に変化できるように加工したカードの基材構造上にバンプを的確に形成することができるので、すべてのバンプについてIC上の相手電極と良好な電気接触を得ることができる。このため、従来は困難であったウエハ上での機能検査による高速動作ICや高密度ICの品質確認に使用が期待される。
 本新技術の開発は、真空冶金株式会社(社長 武黒洋一郎、本社 千葉県山武郡山武町横田516、資本金 1,078百万円、電話0475-89-0151)に委託する予定で、開発期間は5年、委託開発費は約9億8千万円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「IC検査用カードの製造技術」(背景・内容・効果)

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