新技術事業団報 第 696号

平成8年7月8日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5608(企画調査室)

「パルス燃焼乾燥によるし尿処理システム」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 新技術事業団(理事長 松平寛通)は、国士舘大学教授 岸本健氏の研究成果である「パルス燃焼乾燥によるし尿処理システム」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 くみ取り収集したし尿および浄化槽汚泥(以下「し尿」)は、現在、その大部分がし尿処理施設において微生物の働きにより処理されている。しかしながら、微生物による処理はし尿を処理槽に長期間滞留させる必要がある、処理工程が複雑であるなどのため比較的大規模な施設が必要である。
 新技術はし尿をパルス燃焼により発生する強い圧力波により乾燥・粉体化し、これを焼却、もしくは有用物として利用するシステムに関するものである。パルス燃焼は開口容器内で燃料を燃焼して開口部から強い圧力でガスを発生(強い圧力波)させる現象であるが、この開口部にスラリー状のし尿を供給するとし尿は瞬時に乾燥し、含水率が10%程度の粉体となる。得られた乾燥粉体は固化して焼却、あるいは土壌改良材などの有用物として利用することができる。本新技術は装置構成および処理工程が簡便であるため、比較的小規模の施設でし尿処理が可能である。また、乾燥時の熱効率が高くそれほど大きなエネルギーを消費しない、無放流でし尿を処理することができるため水質汚染に対する懸念がない、などの特長がある。このため、新しいし尿処理技術として、し尿処理施設の新規設置や更新に適用されることが期待される。
 本新技術の開発は、大阪富士工業株式会社(代表取締役社長 大島時彦、本社兵庫県尼崎市常光寺1丁目9番1号、資本金9,200万円、電話 06-487-1865)に委託する予定で、開発期間は3年、委託開発費は約4億5千万円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「パルス燃焼乾燥によるし尿処理システム」(背景・内容・効果)

し尿処理システムの概要

(*) この発表についての問い合わせは、電話048(226)5615 角地または小林までご連絡下さい。


This page updated on April 14, 1999

Copyright© 1999 JapanScienceandTechnology Corporation.

www-pr@jst.go.jp