新技術事業団報 第676号

平成8年1月18日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5608(企画調査室)

「固体電解質型炭酸ガスセンサ」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

  新技術事業団(理事長 松平寛通)は、横浜国立大学環境科学センター教授 田川博章氏、東北大学科学計測研究所教授 水崎純一郎氏らの研究成果である「固体電解質型炭酸ガスセンサ」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 大気中のガス濃度の監視、室内や作業場等の換気制御、ハウス栽培や植物工場等での植物の生育促進のために炭酸ガスセンサの必要性が高まってきている。これまでに炭酸ガス分子が赤外線を吸収する性質を利用した赤外吸収方式によるものが市販されている。しかし、この炭酸ガスセンサは(1)一酸化炭素や一酸化窒素等の共存ガスの影響を除去するため、装置が大きく高価である、(2)汚れや粉塵の影響を受けるため、頻繁な保守が必要等の問題があった。
 本新技術は、炭酸リチウム−リン酸リチウム−アルミナ系固体電解質に電子・酸素イオン混合導電体である固体基準極を密着接合させ、それらの間に電気化学的に発生する起電力から被検ガス中の炭酸ガス濃度を測定するセンサに関するものである。
 本新技術による炭酸ガスセンサは(1)素子化されているため小型にできる、(2)測定の際に共存ガスや粉塵の影響を受けず保守が不要である、(3)安価に大量に製造が可能であるなどの特徴を有し、室内や作業場などの換気制御やハウス栽培などでの植物の生育促進に利用されるものと期待される。
 本新技術の開発は、曙ブレーキ工業株式会社(社長 信元久隆、本社 東京都中央区日本橋小網町19-5、資本金89億円、電話03-3668-5171)及び株式会社曙ブレーキ中央技術研究所(社長 木村俊彦、本社 埼玉県羽生市東5-4-71、資本金1億円、電話0485-61-3165)に委託する予定で、開発期間は3年、委託開発費は3億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「固体電解質型炭酸ガスセンサ」(背景・内容・効果)

(*) この発表についての問い合わせは、電話048(226)5616 野田、小泉までご連絡下さい。


This page updated on April 30, 1999

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