新技術事業団報 第670号

平成7年12月14日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5608(企画調査室)

「腹腔鏡下臓器摘出手術装置」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 新技術事業団(理事長 松平寛通)は、京都大学医学部教授 吉田修氏ならびに同学部講師寺地敏郎氏らの研究成果である「腹腔鏡下臓器摘出手術装置」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 腹腔鏡下手術とは、外科手術の一方法で、開腹手術と違い手術を受ける人の腹壁に3,4カ所設けた小さい孔から手術用具や小型カメラを挿入し、医師はカメラを通した映像を観察しながら手術を行うもの。開腹手術に比べ、手術後の痛みが少ない、回復が早く入院期間を短縮できるなどの特徴があり、胆のう摘出手術を中心に広く普及してきている。
 しかし、腎臓癌などでは小さな孔を通して癌に侵された臓器を摘出することが困難なため、臓器を砕いて取り出さざるを得ない。このような方法では、手術後に病理学的な診断を下すことが困難であることから腹腔鏡下手術の適用の拡大が妨げられていた。
 本新技術は、腹腔鏡下手術により腎臓癌などの手術も出来るようにしようとするもので、腹腔内に挿入した容器の中で、摘出しなければならない臓器を、病理学的な診断が可能なように切片状に薄く切り、管を通して体外へ取り出す手術装置に関するものである。本装置を用いると腎臓癌などの手術において、開腹手術と比較して、患者に与える傷が大幅に小さくなることが期待される。
 本新技術の開発は、株式会社モリタ製作所(社長 森田隆一郎、本社 京都市伏見区東浜南町680番地、電話075(611)2141、資本金3億76百万円)に委託する予定で、開発期間は5年、委託開発費は約4億円の予定である。

「腹腔鏡下臓器摘出手術装置」(背景・内容・効果)

(*) この発表についての問い合わせは、電話048(226)5615 小原までご連絡下さい。


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