新技術事業団報 第663号

平成7年11月 1日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5609(企画調査室)

「茶ポリフェノール含有有機質肥料の製造技術」の開発に成功

 新技術事業団(理事長 松平寛通)は、動物健康管理センター 畜産コンサルタント・獣医師 市川洋征氏らの研究成果である「茶ポリフェノール含有有機質肥料の製造技術」を委託開発制度の平成3年度開発課題として平成4年1月から平成7年7月にかけて、三井農林株式会社(社長 難波江 勇雄、本社 東京都中央区日本橋室町3-1-20 三井別館、資本金16億円、電話03-3241-3111)に委託して開発を進めていた(開発費1億48百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。

 近年、食生活の変化に伴い、缶、びん、PETボトル入りの紅茶、ウーロン茶、緑茶などの茶類飲料の生産量が急激に増加してきており、産業廃棄物である茶殻の有効処理技術が求められていた。
 一方、鶏糞、豚糞などの畜産排出物は、有機質肥料として肥料効果が大きい反面、十分に発酵させないと作物の根腐れや悪臭の発生を引き起こすなどの問題があった。また、肥料製造時の悪臭の発生も環境問題の一つとなっていた。

 本技術は、消臭、抗菌などの作用を持つ茶ポリフェノールを含みながら有効利用されずに焼却処分されてきた茶殻と、有機質肥料として優れた成分を持ちながら悪臭のため利用しにくかった鶏糞とを混合した後、悪臭の発生を抑え、発酵・熟成させ、優れた天然有機質肥料を製造しようとするものである。
 本技術による有機質肥料は(1)製造工程や施肥において悪臭の発生がほとんどない、(2)ハエの発生を抑える、(3)作物の病害虫に対する予防、などの効果が期待できる。従って家庭園芸用肥料をはじめ、ハウス及び花、野菜、果実などの肥料として、また、緑地公園、道路の側帯などの芝生の養生用肥料、としての利用が期待される。

「茶ポリフェノール含有有機質肥料の製造技術」(背景・内容・効果)

(*) この発表についての問い合わせは(048)226-5625内野、大塚までご連絡ください。
(企業連絡先)三井農林(株)生産統括部 勝田、大野 電話03-3241-3114


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