新技術事業団報 第643号

平成6年12月21日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5608(企画調査室)

「フロンの低温接触分解技術」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 新技術事業団(理事長 松平寛通)は、富山工業高等専門学校物質工学科教授 篠田清徳氏ならびに同教授 宮谷大作氏らの研究成果である「フロンの低温接触分解技術」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 フロンは、地球のオゾン層を破壊するとして国際的にその生産と新たな消費が禁止されることとなっており、既に製造されたものについては早急にその分解処理が求められている。従来、フロンの分解無公害化技術として、プラズマを用いて分解する方法や焼却による方法などが検討されているが、未だ実用化には至っていない。
 本新技術は、主触媒としてフッ化第二鉄や塩化第二鉄などの鉄ハロゲン化物、助触媒として塩化第二銅やフッ化第二銅などを活性炭に保持させたものをカラムに詰め、このカラムにフロンをアルコールやエーテル類と混合・ガス化して通過させ、比較的温和な条件(300℃、常圧)で分解し無公害化するとともに、分解生成物をハロゲン化アルキルなどの有用な形で取り出し有効利用するものである。
 本新技術は、温和な反応条件で難分解性のフロンを接触分解することができる、分解生成物は回収が容易で再利用可能な有用化合物として得られる、装置を小型にできるため車載移動型とすることが可能、装置は安価であり運転コストも低いなどの特徴を有することから、特定フロンなどの分解処理、四塩化炭素などや難分解性脂肪族ハロゲン化物の分解処理などに利用が期待される。
 本新技術の開発は、株式会社小松製作所(社長 片田哲也、本社 東京都港区赤坂二丁目3番6号、資本金699億3,400万円、電話 03-5561-2616)に委託する予定で、開発期間は3年、委託開発費は約7億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「フロンの低温接触分解技術」(背景・内容・効果)

(*) この発表についての問い合わせは、電話048(226)5616 本田、島田までご連絡下さい。


This page updated on May 14, 1999

Copyright© 1999 JapanScienceandTechnologyCorporation.

www-pr@jst.go.jp