独立行政法人科学技術振興機構(理事長 沖村憲樹)は、委託開発事業の開発課題「薬物の体内動態予測システム」の開発結果を、このほど成功と認定しました。
本課題は、杏林大学名誉教授 遠藤 仁氏らの研究成果を基に、平成12年3月から平成16年3月にかけて株式会社富士バイオメディックス(代表取締役社長 鈴木 晃、本社 埼玉県鴻巣市東一丁目1番25号、資本金525百万円)に委託して実用化開発(開発費約382百万円)を進めていたものです。 |
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(開発の背景) |
新薬の開発においては、薬物の体内動態試験は必須の項目であり、多くの候補薬物の中から目的に合った動態を示す薬物を選び出すための、効果的なスクリーニング系を構築することが求められています。 |
(開発の内容) |
本新技術は、腎臓の尿細管や、肝臓・脳の細胞膜に存在するヒト薬物輸送蛋白質(トランスポーター※1)を発現させた培養細胞を用い、薬物等の体内動態を予測するシステムに関するものです。トランスポーター発現細胞をシャーレ上で培養して、生体が行う薬物輸送を代替する系とします。そこに放射性同位元素で標識した被験薬物を加えることで、薬物の排泄等の体内動態を解析できます。 |
(開発の効果) |
本技術による薬物の体内動態予測システムは、治験薬を動物やヒトに投与する前に、薬物の組織への移行性や体外排出性、併用薬との相互作用を予測できることから、新薬開発への利用が期待されます。 |
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なお、本件についての問い合わせは以下の通りです。 |
独立行政法人科学技術振興機構 開発部開発推進課
菊地博道、今村千早(電話:03-5214-8995)
株式会社富士バイオメディックス 執行役員 社長室マネージャー
谷内 豊(電話:048-543-3411) |
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