重点分野 | 課題名 | 新技術の代表研究者 | 開発実施企業 | 新技術の内容 |
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ライフイノベーション | 軽度認知障害及びアルツハイマー病の血液診断システム | 筑波大学 医学医療系 准教授 内田 和彦 |
株式会社MCBI | 本新技術はアルツハイマー病(AD)およびその発病前段階にある軽度認知障害(MCI)のイムノアッセイおよびLC-MS法による血液中のバイオマーカーによる診断システムを開発するものである。 ADなどの認知症は、近年急激に増加しており、MCIからの早期診断および治療法の開発が高齢化社会において重要課題となっている。また、AD診断は主に問診と画像によるものであり、検診で利用可能な簡易な血液検査が強く望まれている。 本新技術では、ディファレンシャルプロテオーム解析システムにより血液中のペプチドからADおよびMCIが診断可能な血液バイオマーカーを数種類同定しており、これらのマーカーからELISA法およびLC-MS法による診断システムを開発することで簡易な診断が可能となり、治療法の開発が促進されることが期待される。 |
ライフイノベーション | 糖鎖固定ナノ粒子を用いたウイルス性疾患の非侵襲早期診断システム | 鹿児島大学 大学院理工学研究科 教授 隅田 泰生 |
株式会社スディックスバイオテック | 本新技術は、糖鎖固定化金ナノ粒子を用いて、低濃度のウイルスを補足・濃縮して検出する診断システムに関するものである。 従来抗体を利用した「簡易キット」が使用されているがその検出感度は低く、高感度なPCR法では簡便で有効な前処理法が望まれていた。 本新技術では、ウイルスが感染時に細胞表層糖鎖にまず結合することを利用して、金チップ、金ナノ粒子に固定化した糖鎖によりインフルエンザやエイズウイルスを迅速かつ簡便に検出するシステムである。既存法では検出困難な潜伏期患者あるいは不顕性感染者の唾液から容易にインフルエンザウイルス、エイズウイルスを検出することで適切かつ有効性の高い治療の実現が期待される。 |
ナノ・材料 | 低温焼結可能な耐酸化性を有する銅ナノ粒子の大量合成 | 関西大学 化学生命工学部 准教授 川崎 英也 |
株式会社アイテック | 本新技術は、インクジェットやスクリーン印刷で基板上に直接微細配線するプリンテッドエレクトロニクス用の低価格の銅ナノ粒子の大量合成を実用化するものである。 現在、銀ナノ粒子を用いた導電性インクの製品化に向けた研究開発が行われているが、銀価格が高価であり、さらにマイグレーションによる回路短絡の可能性があることから、安価で短絡の可能性が低い銅が注目されている。 本新技術では、困難とされてきた酸化しにくさを達成し、大量合成製造による低価格の銅シングルナノ粒子を実現することで、電子部品などの海外展開可能な国内企業の競争力強化に寄与することが期待されている。 |
社会基盤 | 小型・軽量可搬型X線検査装置 | 産業技術総合研究所 計測フロンティア研究部門 副研究部門長 鈴木 良一 |
つくばテクノロジー株式会社 | 本新技術は、全国で100万km以上に及び、建設後40年位を経過した、多くの産業プラント配管を現場でX線検査するためのX線源、検出器、それらを最適化する技術である。 従来のX線検査装置は大きくて重いため、作業性・アクセス性が悪く、さらに撮像能力不足が問題であった。 本新技術は、超小型で高エネルギーのX線装置と、高い画質で高速に撮像可能なイメージングデバイスに加え、大容量伝送無線技術、さらに最先端のハードウエア、ソフトウエアの技術開発により、配管用小型軽量可搬型X線検査装置を実現するものである。本開発により、適用配管口径拡大、操作性向上、検査時間短縮、低消費エネルギー、信頼性向上、コスト縮減が期待され、産業プラントの安心・安全確保への寄与が期待される。 |
社会基盤 | 3次元指向性ボアホールレーダシステム | 大阪電気通信大学 工学部 准教授 海老原 聡 |
松永ジオサーベイ株式会社 | 本新技術は、土壌埋設物などの位置を特定するボアホールレーダシステムに関するものである。 従来、ボアホールレーダは岩盤層の断層・亀裂の分布箇所や形状を把握するために活用されているが、土壌地盤で正しく計測するための技術は確立できていない。 本新技術では、反射波の到来方向を特定する指向性ダイポールアンテナ、3次元姿勢センシング機能、埋設物の3次元空間表示機能を実現することにより、地中埋設物や空洞の3次元位置形状を容易に計測することが可能となり、建造物建て替え工事、インフラ整備のための掘削工事など広く建設・土木分野に適用されることが期待される。 |
重点分野 | 課題名 | 新技術の代表研究者 | 開発実施企業 | 新技術の内容 |
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ライフイノベーション | PAI-1阻害に基づく造血幹細胞移植での造血機能改善薬 | 東北大学 大学院医学系研究科 教授 宮田 敏男 |
株式会社レナサイエンス | 本新技術は、臍(さい)帯血移植患者の造血機能を改善する新規経口薬に関するものである。 臍帯血移植では、臍帯血中の幹細胞に限りがあるため、既存療法を用いても依然として移植後の造血回復が遅く、生着不全が発生しやすい。本新技術では、骨髄のニッチ環境下での幹細胞活性にPAI-1(プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-1)などの線溶系因子が関わっている点に着目し、これまで独自開発してきたPAI-1阻害低分子化合物を造血機能改善薬として臨床応用する。 本新技術は、ニッチ環境を改善することで、治療期間の短縮効果、長期的な造血機能改善効果、赤血球や血小板に対する回復促進効果、将来的には抗癌剤投与後や照射線照射後などの造血不全への適応などが期待される。 |