※ 研究課題の並びは、研究代表者名の五十音順です。
研究課題名 | サンゴ礁島嶼系における気候変動による危機とその対策 | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
中村 崇 (琉球大学 理学部 講師) |
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相手国名 | パラオ共和国 | 主要相手国 研究機関 |
パラオ国際サンゴ礁センター | |
研究課題の概要 | ||||
パラオ共和国では、気候変動によるサンゴ礁島嶼生態系への影響が懸念されており、そのメカニズムを理解しつつ、地元主導による沿岸・陸上生態系の持続的管理が喫緊の課題となっている。本研究では、日本の沖縄で培ってきたこれまでの経験を基に、観光、生物資源、環境浄化、防災効果などの恩恵をはじめとした生態系サービスが気候変動によって受ける影響の科学的理解と同時に、保全管理対策を提言する。具体的には、生物多様性保全、海洋温暖化、海洋酸性化や海面上昇の対策、生態系の経済評価、流域生態系保全に関する研究を推進するとともに、持続的沿岸・陸上生態系の保全管理にかかわる学際的素養を持った若手人材をパラオと共同で育成する。 |
研究課題名 | 南米における大気環境リスクに対応する社会システムの開発 | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
水野 亮 (名古屋大学 太陽地球環境研究所 教授) |
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相手国名 | アルゼンチン共和国(主要相手国)、 チリ共和国 |
主要相手国 研究機関 |
レーザー応用技術研究センター(アルゼンチン)、 マゼラン大学(チリ) |
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研究課題の概要 | ||||
人為起源および自然起源に伴う大気微量成分の変化は、地球の生態系や人間の経済産業活動に影響を与える深刻な環境リスクとなっているが、火山灰やオゾンホールなどの影響を受けている南米は、データの空白域となっており、これらの環境リスクの影響の把握が遅れている。本研究では、粒子タイプ識別自動ライダーおよびミリ波分光放射計という日本の誇る2つの先端遠隔計測技術を活用し、エアロゾルとオゾン層破壊という2つの大きな大気環境リスクに対応する社会システムをアルゼンチンとチリに構築することを目指す。具体的には、航空機のエンジン障害をもたらし航空網の運航に大きな影響を与える火山灰、温暖化に影響する黒色炭素、有害紫外線量にかかわるオゾンホールなどの実態把握と、得られたデータに基づくリアルタイムの情報伝達システムを開発し、地域社会および国際社会への貢献を図る。 |
研究課題名 | 農村開発のための分散型バイオメタンエネルギーシステム | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
長谷川 達也 (名古屋大学 エコトピア科学研究所 教授) |
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相手国名 | インド共和国 | 主要相手国 研究機関 |
インド工科大学デリー校 | |
研究課題の概要 | ||||
インドを初めとする開発途上国の農村部では、都市部と比べ経済発展が遅れており、貧困が深刻で、エネルギー供給などにより農業生産力、農産物流通能力を高め、生活を向上させる事が求められている。本研究ではインド農村部モデル地区の農業や生活の実態を踏まえ、多量に賦存する牛糞、農業残渣など未利用廃棄物を利用し、低コスト・高効率のバイオガス分散型生産と巡回精製・収集、バイオメタンステーションでの低圧貯蔵、発電、家庭用およびメタン車用燃料供給、低圧メタン吸蔵燃料タンク搭載車の開発を行う。インドのNGOや企業と連携し、農民への技術教育も含めた社会実証により、都市部との経済格差解消、雇用創出、農産物流通手段の確保、低炭素社会実現に資するバイオガス高度利用の実証を行う。 |
研究課題名 | テーラーメード育種と栽培技術の開発による東アフリカの生物的・非生物的ストレス条件下における稲作の安定化および生産性向上 | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
山内 章 (名古屋大学 大学院生命農学研究科 教授) |
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相手国名 | ケニア共和国 | 主要相手国 研究機関 |
農業省 | |
研究課題の概要 | ||||
ケニアでは、サハラ砂漠より南にある多くの国で食糧安全保障上の重要課題となっているコメ増産に国を挙げて取り組んでいるが、干ばつ、土壌の低肥沃度、高地で起こる低温、いもち病などの生物的・非生物的ストレスが生産の障害となっている。本研究では、灌漑設備の整った水田、降雨に頼る天水田および畑という異なる農業生態系別に、現行の栽培技術を評価する。これを踏まえて、耐冷性、耐旱性、低肥沃土適応性、いもち病抵抗性にかかわる農業形質を同定し、品種評価システムを開発する。その上で、これらのストレスを克服する品種を育成するとともに品種の能力を十分に発現させる栽培技術を開発し、同国における稲作の安定化と生産性向上を目指す。 |
研究課題名 | メキシコ遺伝資源の多様性評価と持続的利用の基盤構築 | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
渡邉 和男 (筑波大学 生命環境系・遺伝子実験センター 教授) |
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相手国名 | メキシコ合衆国 | 主要相手国 研究機関 |
メキシコ国立農林牧畜研究所 | |
研究課題の概要 | ||||
メキシコ政府が、国家戦略として設立した国立遺伝資源保存センター(CNRG)の研究・運営活動支援を行い、気候変動対応に関する遺伝資源(在来伝統品種や野生種などの品種改良の源)の生育域外保全、遺伝資源の持続的利用の研究を行う。国内および国際農業への重要性を考慮し選出した、メキシコ原産の植物遺伝資源を対象とし、遺伝子マーカーの作出、多様性の解析、解析情報を用いた遺伝資源管理、難貯蔵性種子の長期保存法の開発、開発した保存法のCNRGでの保存への応用を行う。国際共同研究を通じ、遺伝資源にかかわる利益配分の事例を構築する。CNRGの機能強化により、途上国同士の南南協力を通じた地域の遺伝資源保全技術普及の拠点化を目指す。 |
研究課題名 | マルマラ海域の地震・津波災害軽減とトルコの防災教育 | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
金田 義行 (独立行政法人 海洋研究開発機構 技術研究統括 地震津波・防災研究プロジェクト プロジェクトリーダー) |
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相手国名 | トルコ共和国 | 主要相手国 研究機関 |
ボアジチ大学 カンデリ地震観測研究所国立地震モニタリングセンター | |
研究課題の概要 | ||||
比較的規模の小さい地震でも犠牲者の多い、震災対策が進んでいないトルコで、震災に強い国づくりのため理学・工学・人文学を融合した共同研究を実施する。近い将来発生する可能性の高い巨大地震に関して、調査観測およびシミュレーション研究などによる発生過程の解明や、数値・振動台実験による構造物の振動・強度特性の解明、ハザード評価を行うとともに、それらの成果を可視化し、地方自治体および研究機関と共同で防災対策を検討する「地域防災コミュニティ」や、市民との対話による「災害対策シンポジウム」などの場で有効に活用し、トルコ国民の防災意識向上を成し遂げることによって、政府の震災対策が着実に実行できる環境を構築する。この方策は、世界が抱える大都市災害や耐震不適格問題に対しても有効である。 |
研究課題名 | アフリカにおけるウイルス性人獣共通感染症の調査研究 | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
高田 礼人 (北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター 教授) |
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相手国名 | ザンビア共和国 | 主要相手国 研究機関 |
ザンビア大学 獣医学部 | |
研究課題の概要 | ||||
ウイルス性人獣共通感染症対策の確立は、地球規模の課題である。特にアジア・アフリカ地域は人獣共通感染症の発生頻度が高い。本研究では、南部アフリカに位置するザンビアで野生動物、家畜およびヒトの検体を収集し、保有ウイルスを調査することによって、自然宿主、宿主域および伝播経路を明らかにする。また、野生動物が保有する未知のウイルスを探索し、病原体としてのリスクを評価する。さらに、ウイルス性人獣共通感染症の診断法開発および疫学調査をザンビア大学の研究者と共同で実施することによって、ザンビアにおける本分野の研究・教育体制を整備するとともに人材を育成する。 |
研究課題名 | インドネシアにおける統合バイオリファイナリーシステムの開発 | 研究期間 | 5年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
荻野 千秋 (神戸大学 大学院工学研究科 准教授) |
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相手国名 | インドネシア共和国 | 主要相手国 研究機関 |
インドネシア科学院、インドネシア大学 工学部 | |
研究課題の概要 | ||||
インドネシアでは、パーム油などのプランテーションがなされ、目的農作物の他に、廃棄物として毎年5,000万トン以上の非可食性のバイオマスが発生している。非可食バイオマスを原料としたバイオ化学品やバイオ燃料の生産体系(バイオリファイナリー)を確立することが、食糧供給問題や石油資源枯渇問題と非常に関連して重要である。本研究では、プランテーション廃棄物として見込まれている複数のセルロース系バイオマスから有用物質(エタノール、アミノ酸など)を創出する事を目指す。そしてインドネシアの多様な生物資源を利活用してバイオリファイナリー技術をインドネシアにて普及させ、農業と工業を融合した新産業創出を目的とする。 |
※採択後は生物資源分野に分類し、課題の推進を行う。
研究課題名 | ボルネオ生物多様性保全のためのパームバイオマスを活用した革新的グリーン産業の創出 | 研究期間 | 4年間 | |
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
白井 義人 (九州工業大学 大学院生命体工学研究科 教授) |
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相手国名 | マレーシア | 主要相手国 研究機関 |
プトラ大学、サバ大学 | |
研究課題の概要 | ||||
ボルネオ・サバ州は生物多様性の宝庫であるが、州の主力産業であるパームオイル産業から排出される廃液などが環境汚染につながり、生物多様性に影響を与えている。サバ州は、生物多様性とパームオイル産業が共存共栄できる仕組みの構築を強く求めている。本研究では、その廃液を含むバイオマスを効果的に利用することにより廃棄物の排出を防ぎ、それらを資源とする革新的グリーン産業の創出を提案する。具体的には、パーム搾油工場の1つをショーケースとして、日本の環境エネルギー技術を基に対策を講じ、その結果得られる余剰バイオマスと革新的ナノ・コンポジット技術を用いて、経済効果を高めるバイオマスプラスチック産業の創出を進めていくことを目指す。 |
※採択後は環境分野(低炭素領域)に分類し、課題の推進を行う。