JST(理事長 北澤 宏一)は、ニュージーランド科学イノベーション省(MSI)注1)と共同で「機能性食品」に関する2件の研究交流課題を支援することを決定しました。この支援は、戦略的国際科学技術協力推進事業注2)「日本-ニュージーランド研究交流」注3)の一環として行われるものです。
支援を決定した課題は次の通りです。
(1)「機能特性の詳細解析を可能にするネギ属野菜代謝物アトラスの開発」
(研究代表者:山口大学 農学部 執行 正義 教授、植物食品研究所 育種・ゲノム領域 ジョン・マッキャルム 研究員)
本課題は、ネギ属野菜における二次代謝物(香味成分や色素など)の蓄積を網羅的に解析してデータベースを構築し、さらにゲノム解析データなどと統合することで、創薬などに利用可能な遺伝子群を探索するもので、ゲノム情報を用いた育種の画期的な進展を目指す研究です。
(2)「閉経期女性の骨の健康に対する日本とニュージーランドの機能性食品の併用効果」
(研究代表者:国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部 石見 佳子 部長、マッセイ大学 食品学部 マレーナ・クルーガー 教授)
本課題は、大豆イソフラボンとニュージーランド産食材中の機能性成分の併用摂取が、閉経期女性の骨代謝に及ぼす影響を評価するものであり、最終的には両国の機能性食品の併用による骨の健康維持に役立つ方法を確立することを目指す研究です。
今回の研究交流課題の募集では12件の応募があり、これらの応募課題を日本側およびニュージーランド側の外部専門家により評価しました。JSTとMSIはその結果をもとに協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本とニュージーランドがともに支援すべきと合意した2件を支援課題として決定しました。日本側、ニュージーランド側とも本年10月に支援を開始し、研究期間は支援開始から2年間を予定しています。