JSTトッププレス一覧 > 科学技術振興機構報 第807号
科学技術振興機構報 第807号

平成23年6月22日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報ポータル部)
URL https://www.jst.go.jp

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本-ブラジル研究交流」における平成23年度新規課題の決定について

JST(理事長 北澤 宏一)は、ブラジル国家科学技術開発審議会(CNPq)注1)と共同で「バイオマス・バイオテクノロジー」に関する2件の研究交流課題を支援することを決定しました。この支援は、戦略的国際科学技術協力推進事業注2)「日本-ブラジル研究交流」注3)の一環として行われるものです。

支援決定した課題は次の通りです。

(1) 「バイオエネルギー生産に向けた海洋微生物ファクトリーの創成」

(研究代表者:北海道大学 大学院水産科学研究院 澤辺 智雄 教授、リオデジャネイロ連邦大学 生物学部 ファビアーノ・トンプソン 教授)

本研究は、ブラジルの珊瑚礁生態系から、海藻やサトウキビ搾りかす(バガス)をエネルギーに変換できる新規微生物とその遺伝子を発見し、それらを活用した高効率の海洋微生物ファクトリーの創成を目指すものです。

(2) 「バイオチャー利用、安定性、安全性とその適応に関する日伯共同研究」

(研究代表者:九州大学 大学院農学研究院 凌 祥之 教授、ブラジル科学院農学研究院 土壌研究所 エテルビノ・ノボトニー 主任研究員)

本研究は、作物に由来する炭化物である「バイオチャー」を主に農業用資材として利用し、作物生産性の向上だけでなく安定的な炭素貯留の資材としても活用し、地球温暖化の抑制も目指すものです。

今回の研究交流課題の募集では6件の応募があり、これらの応募課題を日本側およびブラジル側の外部専門家により評価しました。その結果をもとにJSTとCNPqが協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本とブラジルがともに支援すべきと合意した2件を支援課題として決定しました。日本側、ブラジル側とも本年7月に支援を開始し、研究期間は支援開始から3年間を予定しています。

注1) ブラジル国家科学技術開発審議会(CNPq, 英語名:The National Council for Scientific and Technological Development)
科学技術研究の促進および国の研究を担う人材の育成に尽力している、ブラジル科学技術省(MCT)に属する機関。
CNPqホームページURL:http://www.cnpq.br/english/cnpq/index.htm
注2) 戦略的国際科学技術協力推進事業
政府間合意に基づき、戦略的に重要なものとして文部科学省が設定した協力対象国・分野において、相手国の研究支援機関と共同で研究提案を公募・採択し、国際研究交流を支援します。
戦略的国際科学技術協力推進事業ホームページURL:https://www.jst.go.jp/inter/index.html
注3) 「日本-ブラジル研究交流」
2005(平成17)年5月にブラジル連邦共和国ルーラ大統領(当時)が来日し、小泉純一郎首相(当時)と会談を行いました。その際、科学技術の分野において日本とブラジルとが協力と交流を一層進めうることで一致しました。
その後、2009(平成21)年5月の科学技術合同委員会にて、文部科学省とMCTの間で「バイオマス・バイオテクノロジー」分野での事業実施の合意に至りました。今回が1回目の課題採択となります。

<添付資料>

別紙:戦略的国際科学技術協力推進事業「日本-ブラジル研究交流」平成23年度新規課題 一覧

参考:戦略的国際科学技術協力推進事業「日本-ブラジル研究交流」平成23年度新規課題の採択に関して

<お問い合わせ先>

独立行政法人 科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
担当:金子 恵美(カネコ エミ)、宇佐見 健(ウサミ タケシ)、岸田 絵里子(キシダ エリコ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
E-mail: