課題名 | 「湿式抄紙製法による排ガス浄化装置」 |
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所有者 | 株式会社 エフ・シー・シー、北岡 卓也 |
研究者 | 九州大学 大学院農学研究所 准教授 北岡 卓也 |
委託企業 | 株式会社 エフ・シー・シー |
開発費 | 約4億円 |
開発期間 | 平成18年10月~平成22年7月 |
評価 | 本新技術は、湿式抄紙技術を応用した高効率自動二輪車用排ガス浄化装置のペーパー触媒に関するものである。 現在、深刻化する環境問題から自動二輪車の排ガス規制は年々強化されており、規制値をクリアするには燃焼効率向上のみでは対応しきれず、白金などの貴金属触媒による処理が不可欠である。しかし、貴金属は枯渇資源であり、一方、世界的には自動二輪車の大幅な需要増加が予想されることから貴金属の使用量の少ない高効率な排ガス浄化装置が求められている。 本新技術は、セラミック系繊維やパルプなどを成分とした原料を湿式抄紙、焼成することで紙特有の空隙構造を形成し、空隙の表面に貴金属触媒を担持したペーパー触媒である。ペーパー触媒は、空隙を触媒反応場に利用することで反応効率を高め、貴金属触媒の使用量を大幅に削減しても高効率なガス浄化が可能である。 本開発では、自動二輪車に搭載するためにポアフィリング法により高温でも安定性が高く、高活性を示すパラジウム触媒を新規に作成し、ハニカム構造のペーパー触媒に担持することで実車に搭載可能な強度・浄化性能を得ることができた。貴金属担持量25g/feet3以下での浄化性能は、EURO3規制値(一酸化炭素;2.0g/m、炭化水素;0.3g/km、窒素酸化物;0.15g/km)以下を達成した。 本新技術による自動二輪車排ガス浄化装置の普及を進めることは大気汚染の抑制へつながる。さらにメタノール改質触媒や光触媒などへの応用が期待される。 |
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成22年8月19日 |