JST(理事長 北澤 宏一)は、デンマーク科学技術開発庁(DASTI)注1)と共同で「ライフサイエンス」分野の中の一領域である「分子糖尿病学」に関する2件の研究交流課題を支援することを決定しました。この支援は、戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)注2)「日本-デンマーク研究交流」注3)の一環として行われるものです。
支援決定した課題は次の通りです。
(1) 「日本人とデンマーク人のタンパクコード領域集中型シークエンス法による若年発症家族性糖尿病の新規原因遺伝子同定」
(研究代表者:岐阜大学医学部附属病院 堀川 幸男 准教授、コペンハーゲン大学 オゥフ・ボルビィー・ペダーセン 教授)
本課題は、日本およびデンマーク両国の研究チームが持つ最新の遺伝子データ、知見、そして最新の大規模シークエンス技術を相互補完的に組み合わせることにより、若年発症家族性糖尿病の原因遺伝子変異を同定し、最終的には一般的な2型糖尿病の病態解明への展開を目指す研究です。
(2) 「糖尿病の病因および病態生理における膵β細胞の役割」
(研究代表者:神戸大学 大学院医学研究科 清野 進 教授、コペンハーゲン大学 イェンス・へォイリース・ニールセン 教授)
本課題は、正常および糖尿病状態における膵β細胞の増殖・再生の分子メカニズムやインスリン分泌における細胞内シグナル伝達の分子メカニズムを明らかにすることにより、糖尿病の病因ならびに病態生理における膵β細胞の役割を解明することを目指す研究です。
今回の研究交流課題の募集では5件の応募があり、これらの応募課題を日本側およびデンマーク側の外部専門家により評価しました。JSTとDASTIはその結果をもとに協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本-デンマークともに支援すべきと合意した2件を支援課題として決定しました。
日本側、デンマーク側とも本年11月に支援を開始する予定です。研究期間は、両国とも支援開始から3年間を予定しています。
- 注1) デンマーク科学技術開発庁(Danish Agency for Science Technology and Innovation(DASTI))
- 科学技術開発省傘下の機関で、科学技術政策の策定・各種調査のほか、海外との共同研究事業の推進などを行っています。
- DASTIホームページURL:http://en.fi.dk/
- 注2) 戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)
- 政府間合意に基づき、文部科学省が特に重要なものとして設定した協力対象国・分野において、相手国の研究支援機関と共同で研究提案を公募・採択し、国際研究交流を支援します。
- 戦略的国際科学技術協力推進事業ホームページURL:https://www.jst.go.jp/inter/index.html
- 注3) 「日本-デンマーク研究交流」
- 「日本-デンマーク研究交流」においては、2008年1月にJSTとDASTIの間で、戦略的国際科学技術協力推進事業により、研究交流を実施することを目的として覚書を締結しました。この覚書のもと、JSTとDASTIは「ライフサイエンス」分野において、日本とデンマークの研究交流を共同支援することに合意し、課題の公募を実施しました。今回が3回目の課題採択となります。
<添付資料>
別紙:戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)「日本-デンマーク研究交流」平成22年度新規課題 一覧
参考:戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)「日本-デンマーク研究交流」平成22年度採択に関して
<お問い合わせ先>
独立行政法人 科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
担当:高杉 秀隆(タカスギ ヒデタカ)、山村 将博(ヤマムラ マサヒロ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
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