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参考

パネルオフィサーの略歴など

荒川 泰彦(あらかわ やすひこ)氏

【現職】

東京大学生産技術研究所 教授

【学職歴】

1980年東京大学 大学院工学系研究科 電気工学専門課程修了 工学博士
1980年東京大学生産技術研究所 講師
1981年東京大学生産技術研究所 助教授
1988年東京大学先端科学技術研究センター 助教授
1993年東京大学生産技術研究所 教授
1997年東京大学国際産学共同研究センター 教授
1999年東京大学先端科学技術研究センター 教授
東京大学生産技術研究所教授 併任
2002年東京大学生産技術研究所 教授、ナノエレクトロニクス連携研究センター センター長
2006年東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 機構長
2008年日本学術会議 会員

【受賞歴】

1989年Young Scientist Award、International GaAs and Related Material Symposium
1991年業績賞 電子情報通信学会
1992年日本IBM科学賞
1993年服部報公賞 服部報公会
2000年エレクトロニクスソサイエティ賞 電子情報通信学会
2002年日産科学賞
2002年Quantum Devices Award
2004年江崎玲於奈賞
2004年IEEE/LEOS William Streifer Award
2007年藤原賞
2007年産学官連携功労者 内閣総理大臣賞
2009年IEEE David Sarnoff Award
2009年紫綬褒章

【研究キーワード】

量子ナノデバイス工学

【研究主監会議の意見】

荒川 泰彦 氏はこれまでに、量子効果半導体レーザーの研究などに従事し、いくつもの卓越した研究業績を上げてきた。例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)を用いた量子細線や量子箱の作製技術を創出し、次世代レーザー研究の開拓などに大きく寄与した。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は、日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員などを歴任するとともに、IEEEフェロー、応用物理学会フェロー、電子情報通信学会フェローなどに選出されている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると見られる。

岡田 清孝(おかだ きよたか)氏

【現職】

自然科学研究機構 基礎生物学研究所 所長/教授

【学職歴】

1973年京都大学 大学院理学研究科 修士課程修了
1975年同博士課程退学、東京大学理学部生物学教室 助手
1979年理学博士取得(京都大学)
1982年文部省 長期在外研究員(米国ハーバード大学 生化学教室)
1986年岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所 助手
1989年同研究所 助教授
1995年京都大学 大学院理学研究科 植物学教室 教授
2000年理化学研究所植物科学研究センター グループディレクター兼任
2007年自然科学研究機構・基礎生物学研究所 所長

【受賞歴】

1990年日本遺伝学会奨励賞
2009年日本植物学会学術賞
2010年日本植物生理学会学会賞

【研究キーワード】

植物の器官形成・胚発生・刺激応答機構、分子遺伝学解析

【研究主監会議の意見】

岡田 清孝 氏は植物発生学研究において、特に植物の葉の形成、植物器官の形成、根の伸長に関する分子メカニズムの解明に取組み、高い成果を上げてきた。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は、日本植物生理学会長、分子生物学会長などの要職を歴任し、現在は自然科学研究機構基礎生物学研究所長を務めている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な選考を行ないうると見られる。

北森 武彦(きたもり たけひこ)氏

【現職】

東京大学 大学院工学系研究科 研究科長/教授

【学職歴】

1980年東京大学 教養学部 基礎科学科 卒業
1980年株式会社日立製作所 エネルギー研究所 研究員
1989年工学博士取得
1989年東京大学 工学部 助手
1990年東京大学 工学部 講師
1991年東京大学 工学部 助教授
1998年東京大学 工学部 教授
1998年神奈川科学技術アカデミー プロジェクトリーダー・研究室長(兼任、2009年退任)
2008年東京大学 評議員
2008年東京大学 大学院工学系研究科 副研究科長
2010年東京大学 大学院工学系研究科 研究科長

【受賞歴】

1987年日本分光学会論文賞
1989年科学技術庁長官賞注目発明
1991年市村学術賞
1998年日本分析化学会論文賞
2005年イギリス王立化学会フェロー
2006年日本化学会学術賞
2008年米国IBM Faculty Award
2009年日本分析化学会 学会賞

【研究キーワード】

応用レーザー分光学、分析化学、マイクロ・ナノ化学、熱レンズ顕微鏡

【研究主監会議の意見】

北森 武彦 氏はこれまで、ミクロ空間でなければできない新しい化学研究に着目し、集積化マイクロ化学システムの研究に従事してきた。熱レンズ顕微鏡の開発により超高感度分析を達成するとともに、10-100nmオーダーの空間での化学プロセスを実現するマイクロ・ナノ化学チップを創生し、それらの集積化によるマイクロ化学実験空間を世界に先駆けて実現した。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は、日本分析化学会の筆頭副会長や国際会議の組織委員長などの要職を歴任し、現在はイギリス王立化学会のフェロー、Chemical and Biological Microsystem Societyの副会長を務めている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な選考を行ないうると見られる。

楠本 正一(くすもと しょういち)氏

【現職】

財団法人 サントリー生物有機科学研究所 所長

【学職歴】

1963年大阪大学 理学部 卒業
1964年大阪大学 大学院理学研究科 修士課程退学
1964年大阪市立大学 理学部 助手
1969年理学博士(大阪大学)
1969年9月
~1971年6月
フンボルト財団招聘研究者としてドイツがん研究センターに留学
1972年大阪大学 理学部 助手
1976年大阪大学 理学部 講師
1978年大阪大学 理学部 助教授
1988年大阪大学 理学部 教授(天然有機化学講座担当)
1996年大阪大学 大学院理学研究科 教授
2004年大阪大学 定年退職
2004年大阪大学 名誉教授
2006年財団法人 サントリー生物有機科学研究所 所長 現在に至る

【受賞歴】

1983年第1回国際免疫薬理学会賞
1999年日本化学会賞
2004年国際エンドトキシン学会 Bang Award

【研究キーワード】

天然物有機合成化学、天然物生理活性機能

【研究主監会議の意見】

楠本 正一 氏はこれまでに、有機化学分野における複合糖質の合成や生物機能に関する研究に従事してきた。例えば、細菌毒素エンドトキシンの活性部位であるリピドAの構造決定を行い、その効率的合成法を確立したことにより、エンドトキシンの毒性と免疫増強活性を分子レベルで解明した。また、糖質の合成研究を通じて、多数の水酸基を選択保護する保護基や優れたグリコシド化法を見出している。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は、日本化学会副会長、日本糖質学会会長などを歴任し、平成16年から現在にいたるまでサントリー生物有機科学研究所の所長を務めている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると見られる。

澤本 光男(さわもと みつお)氏

【現職】

京都大学 大学院工学研究科 教授

【学職歴】

1974年京都大学 工学部 高分子化学科 卒業
1976年京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 修士課程修了
1979年京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 博士後期課程修了
1979年京都大学 工学部 高分子化学科 日本学術振興会奨励研究員
1980年京都大学 工学部 高分子化学科 研究生
1980年米国 アクロン大学 高分子科学研究所 客員研究員
1981年京都大学 工学部 高分子化学科 助手
1991年京都大学 工学部 高分子化学科 講師
1993年京都大学 工学部 高分子化学科 助教授
1994年京都大学 工学部 高分子化学科 教授
1996年京都大学 大学院工学研究科 教授
2005年日本学術会議 会員
2006年国際純正応用化学連合(IUPAC)準会員(Associate Member;高分子部門)
高分子学会 副会長、内閣府・日本学術会議 イノベーション推進検討委員会 委員
2007年国際純正応用科学連合(IUPAC)正会員(Titular Member;高分子部門)
2008年高分子学会 会長、日本学術会議 会員

【受賞歴】

1992年高分子学会賞
1999年日本化学会学術賞
2002年The Arthur K. Doolittle 賞(米国化学会 PMSE部門)

【研究キーワード】

高分子合成、重合反応設計、とくにカチオン重合、ラジカル重合、リビング重合、高分子精密合成、反応中間体の化学

【研究主監会議の意見】

澤本 光男 氏はこれまでに、高分子化学分野における高分子の精密重合に関する研究に従事してきた。例えば、ルイス酸触媒によるリビングカチオン重合、遷移金属錯体触媒によるリビングラジカル重合を世界に先駆けて開発し、多数の重合開始剤を創出した。また、自らのリビング重合に基づいて多数の機能性高分子を精密合成し、その性質と機能を明らかにしている。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は現在、日本学術会議会員や高分子学会の会長を務めている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると見られる。