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別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)
「日本-タイ(NSTDA)研究交流」平成22年度新規課題 一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
タイ側
研究代表者
タイ国境地域薬剤耐性マラリア原虫対策を目的とした国際共同研究 岩永 史朗 三重大学
大学院医学系研究科
准教授
本研究交流は、現在マラリア治療において問題となっている薬剤耐性マラリア原虫より薬剤耐性遺伝子を同定し、これを利用した新規診断法の開発を目的とする。 具体的には、日本側は独自に開発したマラリア原虫人工染色体を用い、原虫の遺伝子操作技術を駆使した革新的な薬剤耐性遺伝子同定法の開発を担当し、タイ側は国境地域マラリア患者からの薬剤耐性原虫株の分離を担当する。さらに共同で分離した耐性原虫株より開発した手法を用いて耐性遺伝子を同定し、これを指標とした診断法の開発を試みる。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、マラリア原虫の薬剤耐性機構が明らかとなるとともに、迅速かつ正確な診断法が開発できると期待される。
Uthapibull Chairat
(ウタピブル・チャイラート)
国家遺伝子工学
バイオテクノロジーセンター
(BIOTEC)
研究員
LTBI検出のための新規血清学的アッセイの開発とLTBI根治薬もしくは結核再燃防止薬の開発 松本 真 大塚製薬株式会社
微生物研究所
所長
本研究交流は、結核の治療や発症を予防できる新しい治療薬の探索と、結核の制圧、または結核症の発症をなくすために、新しい診断法と治療法の提案をすることを目的とする。 具体的には日本側は、潜伏感染の動物モデルの作成、新規候補分子・臨床検体を用いた新規診断法の開発研究、シード化合物の合成展開と抗結核活性物質の探索研究を担当し、タイ側は分子遺伝学的手法を用いて候補分子の絞込み、天然物などからの抗結核活性を有するシード分子の探索を担当し、相互に情報と物のやり取りを行いながら、新規治療薬の探索と潜伏感染の診断法の研究を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、結核の基礎から臨床につながる技術、経験、アイデアなどの補完が可能となり、結核の新規診断法と治療や、発症予防できる新規治療薬の開発につながることが期待される。
Saradee Warit
(サラディ・ワリット)
国家遺伝子工学
バイオテクノロジーセンター
(BIOTEC)
研究員