開発課題名 | チームリーダー 氏名・所属機関・役職 |
開発概要 | |
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1 | 細胞内温度計測用プローブの開発 | 内山 聖一 東京大学 大学院薬学系研究科 助教 |
細胞内で起こるさまざまな生命現象を温度の視点から詳細に解明するため、高い温度分解能と空間分解能を備えた細胞内温度計測用蛍光プローブを開発します。また、簡便で誰にでも使用可能な細胞内温度計測技術の確立を目指し、これらの分解能を備え、さらに培地から細胞質への移行能、各細胞内小器官への移行能を付加したプローブを開発します。 |
2 | 簡易操作型電気泳動チップによるバイオ分析技術の開発 | 大塚 浩二 京都大学 大学院工学研究科 教授 |
微量生体試料の電気泳動分離を簡便な操作で実現するためのマイクロデバイスを開発します。直線状微小流路の注入口に試料溶液を滴下し、単電圧を印加するだけで試料成分を濃縮・分離できる要素技術を進展させ、検出感度を10,000倍以上に向上させます。さらに、チャネルアレイデバイスおよび二次元分離デバイスへと発展させ、MS検出との統合により生体機能解析のハイスループット化に貢献できるシステムの構築を目指します。 |
3 | 超伝導転移端センサによる革新的硬X線分光技術の開発 | 大野 雅史 東京大学 大学院工学系研究科 特任助教 |
高エネルギーX線領域での高エネルギー分解能エネルギー分散型分光技術は重元素の分析に有効な可能性を秘めた技術です。本課題では、核物質計量管理、保障措置への応用を念頭に置き、従来のGe半導体検出器に比べ20倍以上優れたエネルギー分解能と高速性を有するフォノン計測を検出原理とする超伝導転移端マイクロカロリメータアレイ検出器を用いた超高分解能エネルギー分散型X線計測技術を開発し、革新的重元素微量元素分析を実現します。 |
4 | キラルアイスクロマトグラフィーの開発 | 岡田 哲男 東京工業大学 大学院理工学研究科 教授 |
本課題では、化学反応を全く介さないキラルカラムの調製を実現し、安価でリサイクル可能な環境調和性の高いキラルカラムの多量供給を可能とし、さらに従来よりも高いキラル選択性をもつクロマトグラフィー固定相を実現します。アイスクロマトグラフィーを基礎とするキラル氷固定相の開発とその有効な使用方法の確立によりその目標を達成し、さらにその機能、適用範囲、汎用性の拡大、実用性の向上を図ります。 |
5 | 埋め込みターゲットを有するX線管球の開発 | 志村 考功 大阪大学 大学院工学研究科 准教授 |
透過型X線撮像装置は物質の内部を非破壊で観察できることから医療用だけでなく、研究開発や生産現場における非破壊観察・検査用機器として広く普及しています。特に最近では製品に要求する高い安心・安全性のため、非破壊検査装置としての役割が期待されています。本課題では、埋め込みターゲットを有する小型微小焦点X線管球、新規ターゲット材X線管球、小型位相コントラスト撮像装置用管球を開発し、その高度化、低コスト化を実践することを目指します。 |
6 | 内視鏡のための単眼三次元異種情報計測システムの開発 | 下山 勲 東京大学 大学院情報理工学系 教授 |
本課題では、従来の内視鏡用の撮像系で不可能であった、病巣の可視光画像、蛍光画像および距離情報を同時に計測し、病巣の三次元形状および内視鏡との位置・姿勢関係を三次元画像として提示する単眼三次元異種情報計測システムを開発します。この計測システムは、各画像・情報を1つの光軸上で同時に計測することで、3種類の画像の対応が明確となり、位置ズレなく、画像が統合可能になるという特徴を持ちます。 |
7 | 低温光共振器を用いた超高安定光源の開発 | 坪野 公夫 東京大学 大学院理学系研究科 教授 |
低温(10K)サファイア光共振器を基準にしてレーザー周波数を制御することにより、超高安定なレーザー光源システムを実現します。本課題では、精密計測、光学技術、低温技術の高度な技術を統合することにより、高性能かつ産業応用を視野に入れた汎用機器を開発します。このような先端的なレーザーシステムは、光格子時計、超高分解能分光、高精度ドップラー測距などの先進分野でも強く求められています。 |
8 | 生物画像のオーダーメイド分類ソフトウェアの開発 | 馳澤 盛一郎 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授 |
生命科学・医学における撮像技術の発達と画像の多様化・多量化によって、汎用性の高い画像評価法が研究・応用現場の緊急ニーズとなっています。オーダーメイドな画像評価システムを目指し、進化型計算と自己組織化写像を用いて、人間の判断に匹敵する高い可塑性を備える自動画像分類法を開発します。本手法により、画像診断や化学物質評価・創薬スクリーニングなどの現場で広く普及することが期待されます。 |
9 | ナノプローブ形成用電界電離型ガスイオン源の開発 | 畑 浩一 三重大学 大学院工学研究科 准教授 |
Ga液体金属イオン源(Ga-LMIS)を搭載した現行の集束イオンビーム装置では、試料観察・加工時に照射Gaイオンによる試料汚染が深刻な問題となっています。またGaイオンのエネルギー拡がりに起因する色収差が、集束特性悪化の原因になっています。本課題では、Ga-LMISに替わる高輝度イオン源として電界電離型ガスイオン源を開発し、不活性な重希ガスイオン(Ne, Ar)の高輝度ビーム形成を実証すると共に、実用化に向けてビーム電流の安定度の向上およびエミッターの長寿命化を図ります。 |
10 | 多ピクセルTES型X線検出器の開発 | 前畑 京介 九州大学 大学院工学研究院 准教授 |
高いエネルギー分解能を持ち、ほぼ全元素からの特性X線ピークを分離した測定が可能なTES型X線検出器の多ピクセル化に関する開発を行います。本開発は、検出器のデバイス、実装技術、X線集光技術を含んでいます。本開発により、分析電子顕微鏡用にこれまでに開発した単ピクセルTES型X線検出器(500cps)に対して4倍程度の計数率を達成することが可能となります。このことで、走査透過型電子顕微鏡でナノスケールの高精度な元素分布マップの取得が期待されます。 |
11 | 波長角度同時分散型時分割X線反射率計の開発 | 松下 正 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 ダイアモンドフェロー、名誉教授 |
薄膜の厚さ、薄膜表面垂線方向の精密電子分布、表面・界面の粗さなどのナノ~サブナノメートルスケールでの構造評価に広く利用されているX線反射率測定法において反射率曲線全体を同時にかつサブ秒~ミリ秒の時間分解能で連続的に測定できる新しい時分割X線反射率計を開発します。これにより薄膜などにおける環境の急激な変化や外的刺激による構造変化の実時間追跡を可能とし、機能性薄膜や表面・界面での機能出現と構造変化の関連を動的に研究する手段を提供します。 |
12 | 4枚の非球面ミラーを用いた結像型硬X線顕微鏡の開発 | 松山 智至 大阪大学 大学院工学研究科 助教 |
非球面ミラーを形状精度1nm レベルで作製し、これら4枚を高精度に組み合わせることで、硬X線領域において高い分解能を実現するアクロマティック結像光学系を構築し、これによって結像型硬X線顕微鏡を開発します。本顕微鏡によって試料内部を二次元(もしくは三次元)で高分解能観察しながら、同時にX線分光分析を行うことで、試料の形状だけでなく状態をも調べられる新しいX線顕微分光法が開拓されるものと期待されます。 |
13 | 高度遺伝子解析のためのシャペロン材料の開発 | 丸山 厚 九州大学 先導物質化学研究所 教授 |
遺伝子診断の汎用性を広げるためには、簡便性、迅速性、信頼性を向上させる必要があります。本課題では、試料採取から識別、検出まで遺伝子解析に要求される操作において総合的に信頼性と迅速性を高めるためのシャペロン材料を提供することを目指します。 |
14 | 対称を利用したタンパク質結晶化促進タグの開発 | 姚 閔 北海道大学 大学院先端生命科学研究院 准教授 |
X線結晶構造解析法は、タンパク質分子の立体構造を原子の分解能で正確に決定するための最も優れた方法ですが、結晶化という障壁を乗り越えなければなりません。一般に、対称性の高い分子は結晶化確率が高いことが、理論的にも統計的にも証明されています。この事実に基づき、本開発では、タンパク質分子を2量体化あるいは3量体化することで分子に2回あるいは3回軸対称を付与し、結晶化を促進するような要素技術(ペプチド性タグ)の開発を目指します。 |
15 | 熱-熱外中性子用高効率シンチレータ検出器の開発 | 渡辺 賢一 名古屋大学 大学院工学研究科 准教授 |
本課題では、中性子断面積の大きなリチウムを含んだ中性子用シンチレータ結晶の高品質化・大型化とシンチレーション発光特性の違いを利用した信号波形処理法に基づく中性子-ガンマ線弁別法の開発を進めることにより、熱中性子および熱外中性子に対し高い感度を持ちつつ、ガンマ線起因の信号を除去可能な中性子検出器を実現します。 |
開発課題名 | チームリーダー 氏名・所属機関・役職 |
サブリーダー 氏名・所属機関・役職 |
開発概要 | |
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1 | 次世代質量イメージングのためのUVマイクロチップレーザーを用いた計測システムの開発 | 平等 拓範 自然科学研究機構 分子科学研究所 准教授 |
古川 保典 株式会社 オキサイド 代表取締役社長 |
実用的高性能紫外(UV)レーザーを、高輝度マイクロチップレーザーと高機能非線形波長変換といった最先端のレーザー技術「マイクロ固体フォトニクス」で実現し、高感度かつ非破壊的光イオン化による質量分析のためのUVマイクロチップレーザーを開発します。本開発により、ボロンなど従来微小領域からの検出が困難であった元素や環境負荷分子の質量マッピングが可能となり、先端鉄鋼材料や有機薄膜太陽電池などの粒界偏析まで分析可能な次世代質量イメージング装置の実現が期待されます。 |
開発課題名 | チームリーダー 氏名・所属機関・役職 |
サブリーダー 氏名・所属機関・役職 |
開発概要 | |
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1 | 超高速・超解像1蛍光分子顕微鏡システムの開発 | 楠見 明弘 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 教授 |
竹内 信司 株式会社 フォトロン イメージング部開発グループ 新市場製品開発チーム チーム長 |
本課題では、生きている細胞内の構造体と分子挙動を理解するために、生細胞中の1分子毎の位置・動き・活性化・結合を、手に取るように観察可能で、かつ生細胞を、電子顕微鏡並みの空間分解能で観察可能な蛍光顕微鏡システムを開発します。1分子観察を分子の個数回だけくり返すことで、光回折の壁はなくなることが見込まれます。 |
2 | 実用三次元スピン回転偏極電子ビーム装置の開発 | 越川 孝範 大阪電気通信大学 工学部 教授 |
後藤 修一 サンユー電子 株式会社 代表取締役社長 |
本事業「要素技術プログラム」で得られた成果をもとに、スピントロニクスにとって重要な磁性薄膜の高性能化を行うために、高輝度・高偏極・長寿命かつ三次元に自在にスピン方向を操ることができる従来よりコンパクトな「三次元スピン回転偏極電子ビーム装置」を開発し、低エネルギー電子顕微鏡(LEEM)に搭載して高分解能・高速磁区観察を実現します。本開発により、透過電子顕微鏡などの他の機器にも搭載でき大きな広がりを持つ可能性を持っています。具体的には、今まで2機で行ってきた三次元スピン回転を1機で行う新しい「スピン回転器」の提案を行うなど、機器の実現を図ります。 |
3 | 浮遊型プローブによるプロセスプラズマ分析装置の開発 | 進藤 春雄 東海大学 情報理工学部 教授 |
柳澤 道彦 株式会社 ランドマークテクノロジー 技術本部 部長 |
本課題では、集積回路(LSI)プロセスの中心技術である半導体製造プラズマ装置、ロケットスラスタープラズマさらには生物生体プロセスプラズマなど広範な応用プラズマの分析技術として、電子放出可能な浮遊型プローブ法を提案し、その原理特許を取得済みの技術をもとに、プラズマ電子エネルギー分析、電子・イオン密度解析、プラズマポテンシャル分布などの総合的分析を可能とするプラズマ分析装置プロトタイプの開発を目指します。 |
4 | アルミナ基プロトン導電体を用いた溶融金属用水素センサの開発 | 武津 典彦 名古屋工業大学 おもひ領域 教授 |
大島 智子 株式会社 TYK 機能材料研究所 主任研究員 |
金属素材製造プロセスでは溶融時に水素が溶解し製品欠陥の発生や材料特性の劣化を招き、そのモニタリングは重要です。最近開発したアルミナ基プロトン導電性固体電解質を用いて濃淡電池を構成する方法で1300℃付近の高温金属融体中の水素量を連続的にその場測定するための産業用センサプローブおよびセンシングシステムの開発を目指します。本センサは現状ではこのような高温の金属融体中水素量を連続的にその場測定することができる唯一のデバイスであり、大量に製造される基盤工業材料の品質を強化し、製造過程での省エネルギー、CO2削減を達成するうえで強力な武器となることが期待されます。 |
開発課題名 | チームリーダー 氏名・所属機関・役職 |
サブリーダー 氏名・所属機関・役職 |
開発概要 | |
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1 | MSnスペクトルから糖ペプチド構造を推定するソフトウェアの開発 | 天野 純子 財団法人 野口研究所 研究部 糖鎖生物学研究室 室長 |
高羽 洋充 東北大学 大学院工学研究科 准教授 |
これまでに独自のピレン誘導体化と新規プレートを基盤にした超高感度糖ペプチドMALDI-MSnシステムを開発し、従来では検出困難であった20pgの糖ペプチドが測定可能となりました。本課題では、スペクトルから瞬時に構造を解明するソフトウェアを開発します。従って、糖鎖科学の専門家でなくても、どのタンパク質の、どのアミノ酸に、どのような糖鎖構造が結合しているかを決定することが可能であり、構造と機能の解明が容易になるので診断や治療に役立つことが期待されます。 |
2 | バイオ蛍光法によるアスベスト自動計測ソフトウェアの開発 | 黒田 章夫 広島大学 大学院先端物質科学研究科 教授 |
河崎 哲男 株式会社 インテックシステム研究所 取締役 |
これまでに開発したバイオ蛍光法によるアスベスト検出は、簡便な蛍光顕微鏡でアスベストの形態と物性の両方を捉えつつ、光学顕微鏡としてはこれまでにない感度でアスベスト繊維を検出する優れた方法です。本課題ではバイオ蛍光法をもとに、従来の目視による判定をバラツキのない自動判定に変えて、アスベストを迅速、かつ、誰にでも計測できるソフトウェアを開発します。これにより、解体現場でのリアルタイムなアスベスト計測を実現します。 |
開発課題名 | チームリーダー 氏名・所属機関・役職 |
サブリーダー 氏名・所属機関・役職 |
開発概要 | |
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1 | 先端計測分析機器用共通ソフトウェアプラットフォームの開発 | 佐藤 了平 大阪大学 先端科学イノベーションセンター 教授 |
吉岡 明紀 株式会社 ウェルインテクノロジー ソフトウェア開発部 エキスパート |
OSレスや非互換RTOSなどによる独自開発が多い先端計測分析機器ソフトウェア開発環境に対して、ユーザーフレンドリー(操作性、リアルタイム性など)で、かつ、開発効率が良く(再利用性、OSSの利用性など)、世界標準が可能な組込みソフトウェア開発環境を実現する先端機器用共通ソフトウェアプラットフォームの開発を行います。 |
開発課題名 | チームリーダー 氏名・所属機関・役職 |
サブリーダー 氏名・所属機関・役職 |
開発概要 | |
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1 | 高速・高分離マルチカラムGCシステムの実用化開発 | 上田 雅人 株式会社 島津製作所 分析計測事業部 GC・TAビジネスユニット 統括部 |
中釜 達朗 日本大学 生産工学部 准教授 |
複雑な組成を持つ石油精製製品の品質を維持管理し、貴重な石化燃料を最大限に有効活用するためのGCシステムを開発します。本事業「機器開発プログラム」で開発したプロトタイプを更に高度化し、チップカラムを異なる分離モードで並列あるいは直列接続することで高速・高精度分析を実現します。従前数時間を要していた組成分析を数分の1の時間で実現し、石油精製・流通・貯蔵の各現場に配置可能な、迅速・高精度・省エネルギー型GCの実用化を目指します。 |
2 | FIB 光イオン化ナノ質量イメージング装置の実用化開発 | 遠藤 克己 株式会社 トヤマ 代表取締役社長 |
坂本 哲夫 工学院大学 電気システム工学科 准教授 |
本事業「機器開発プログラム」により開発した、ナノスケールでの観察・加工が可能で有機物、無機物共に質量分析イメージングできる装置を、大気汚染微粒子やナノスケール構造を有する有機ポリマー材料、有機薄膜太陽電池、鉄鋼粒界分析などに適用し、ユーザーと緊密に連携して実用性を実証します。既存のプロトタイプ機を改良しつつ実用化に必要な専用高輝度レーザー光源の安定化とスペクトルデータベース、自動測定機能などユーザーインターフェースを拡充し、市販可能な装置を完成させます。 |
3 | 小型高速18F-標識PETプローブ合成装置の実用化開発 | 小関 英一 株式会社 島津製作所 基盤技術研究所 主幹研究員 |
岩田 錬 東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター 教授 |
これまでに開発したマイクロフローセルを反応場とした18F-標識PETプローブ合成法を開発し、高速・高収率でプローブ合成が可能であることを明らかにしてきました。本手法は低分子PETプローブの合成に加えて、種々の疾患組織・細胞特異的に結合するペプチド、タンパク質、抗体の18F標識に拡張することができます。本開発では、18F標識ペプチド・タンパク質作製を実証し、実用に供する装置を実現します。本装置によりPET技術が広い範囲の疾病の診断または、創薬開発に利用できるようになることが期待されます。 |
4 | 分析用高分解能X線検出器システムの実用化開発 | 倉門 雅彦 株式会社 テクノエックス 研究開発部 次長 |
大谷 知行 独立行政法人 理化学研究所 テラヘルツイメージング研究チーム チームリーダー |
エネルギー分解能の優れた放射線検出器は、材料分析や環境分析などでの基本的かつ重要な手段であり、本事業「機器開発プログラム」で開発されたプロトタイプをもとに、従来の半導体検出器よりはるかに優れた特性X線の分離能を有し、その上に高検出効率でかつ高速な従来にない実用性の高い高分解能X線検出器を実現します。高分解能X線検出器素子、その素子に適した高速信号処理システム、およびクライオスタットから構成された分析用高分解能X線検出器システムの実用化開発を行います。 |
5 | 世界標準をめざした光学的二酸化炭素自動測器の実用化開発 | 柴田 耕志 明星電気 株式会社 技術開発本部 取締役本部長 |
井上 元 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 教授 |
温室効果ガスのモニタリングは大気のサンプリング・非分散型の赤外吸収測定という化学的な分析であり、システムは複雑で標準ガスやその輸送コストは大きくなります。そのため発展途上国や輸送体制の整わない場所での観測が実現できていません。本測定装置は太陽光を光ファイバーで干渉計に導入し、その信号から大気中の二酸化炭素濃度を測定するという物理的な測定であり、低価格であり標準ガスを必要としないものです。この測器を商品化できれば、観測網を飛躍的に拡充し、温暖化問題に大きく貢献することが期待されます。 |
6 | 検出系冷却型-固体高分解能NMRプローブの実用化開発 | 水野 敬 日本電子 株式会社 NM事業ユニット NM技術グループ 主任 |
竹腰 清乃理 京都大学 大学院理学研究科 教授 |
非晶質固体においても局所構造解析が可能な固体核磁気共鳴(NMR)法は、これまで、膜タンパクなど長距離秩序を持たない生体高分子の局所構造研究に適用され、多大な成果をあげており、リチウム電池に含まれる正極材料やナノ材料など、他の手法では局所構造解析が困難な無機非晶材料法への適応が希求されています。本開発では、無機固体への適用を難しくしているNMRの低感度問題を克服することを可能にしたクライオコイルMASプローブの実用化開発を行います。 |